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シャワー室は湯船と一体となっていて、風呂を入れようと思ったら体を洗った後にお湯を貯めるしかない。
何ともめんどくさいが、らしいなとも感じた。
下済みって感じて笑えてきた。
なんにも面白くない。
キュッキュと蛇口を捻ると熱湯が出てきた。
「あっっっっっっいっ!!!!」
夜更けに魂の叫びを放ち、それを聞いた翡翠がバンッ!!とシャワー室に駆け込んできた。
蛇口を止めて、「水と一緒にだすの!!」と怒られた。
ヒリヒリとした身体を擦りながら、「知らなかった……」と呟けば翡翠は真剣な顔で私の体をペタペタ触り始めた。
「ひゃっ!」
くすぐったくて恥ずかしくてモジモジしてしまう。
なんで?なんで?なんで?
翡翠ってそういう……。いや、別にいいんだけどね?
でも、そういうのってもっと段階踏んだり……
「火傷になってないね、良かった……」
「へ?」