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「それでは」
プロデューサーが一言そういって、私の背中を押して車に載せる。
太陽が少し迷った後に、一緒に乗車した。
ポカンとした新しくできた友達たちはその場に残された。
「……どーする?」
氷翠が1番早く立ち直って日鳴に聞くが、日鳴はボーッとしている。
次第に情報処理が追いついたみたいで、目をキラキラし始めた。
「すっごいね!!夢ちゃん、もうオーディション受けるんだって!!」
「オーディション受けるだけなら誰でも出来るけどな。まあ、事務所推薦なら質は高いだろうな」
ぶっきらぼうに言う氷翠はどこか寂しそうだった。
「また明日、一緒にお買い物行こうね。今度こそ!」
「日鳴……。良い奴だな」
「エヘヘ」