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「いやー、散々だよ」


何やかんや一通り学園のカリキュラムを聞き終えて、本日は終了。

また、明日からは各レッスンを担当してくれるトレーナーさん達と軽い授業がある様だ。


私は何も持ってない。そう、ダンスレッスンに来ていくジャージすらない。

だから、その他諸々買い集める為に最寄りの大型ショッピングモールへ向かおうとしていた。


駅が近く、その駅も乗り換えの中継地点としての役割がある為、この周辺では人が少なことがまずない。



「上出来だよ!」


日鳴が小さな体でポッテポッテと後ろ歩きをしながらフォローをしてくれる。

この子は優しいな。優しさがデフォルトなのだろう。


それが武器になりそうだ。


「そうだよ。様になってた」


スッカリと今朝の事は無かったみたいな氷翠はウンウンと頷く。

氷翠は氷翠なりに、私のあの自己紹介でなにか思うところがあるようだ。


それは、今までとこれからをよく考えてのことだろう。

その、少し考え込む表情は惚れ惚れするほどにイケメンだった。

すれ違う人全員が一度は視線を送るくらいだ。


モデルとしてなら既に大成しそうなポテンシャルだとも思う。

ますます、余計な口を出したプロデューサー科の奴を憎らしく思う。


「カッコよかったよ!!」

「慣れる気がしないよ。皆はあーゆーのあるの?」


太陽はいつだって味方してくれる。ありがとうと素直に言い、1つの疑問を抱いた。

クラスメイトは暖かい人たちばかりだったから良かった。

それに、なんか慣れた目つきだったのだ。


「私は今日言ったやつかな〜」

「無い」

「私も〜、ないっ」


気のせいみたいだ。

ともあれ、日鳴にしろ、氷翠にしろ、後々ああいう自己紹介は必要になるのだろうね。


馬鹿ほどでかい校舎をようやく出るところ、つまり校門でスーツの男性が人集りを作っていた。


何事かと思いながらも無視をしようとしたけれど、見しった顔すぎて出来なかった。


「あ、プロデューサー」


私が声をかけると、周りにいた生徒たちは蜘蛛の子を散らすように離れていった。


「お疲れ様です。早速御学友が出来たようで何よりです」

「あ、今朝はその、すみませんでした」

「氷塚氷翠さんですね。憑き物が落ちたみたいですね……」

「まあ、目が覚めた感じですね」

「今の氷翠ちゃんの方がいいよ!」

「日鳴はそんな感じでずっていてくれ」

「なにそれ〜?」


「ところで、なんか用だった?」

「ええ、伝え忘れてましたがオーディションに行ってもらいます」

「ああ、そうなんだ。頑張ってね」

「?」

「?」

「オーディションに行くのは夢さんです」


「…………ええええええ!?」

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