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「なんの用ですか」
「1年生の時点でプロデューサーがいるなんて珍しいもの」
「はぁ」
「どんな手を使ったの?」
慣れない場所だし、取り上げず教室に行きたいのに。
面倒臭いなぁ。
適当な相槌を売ってるけれど、明確に質問されると無視もしずらい。
要はどうやってプロデューサーを付けたのかってことでしょ。
向こうから言いよってきたんだし、
「手を使ったというとり、付けられたような?」
「なっ、ななな、なんてハレンチな!」
思ったよりも余裕のないリアクションとおおきな声。
どんどん視線が集まってくる。
何だ何だと人が集まってる気配がしたし、事実集まってしまってる。
変に目立つのは宜しくないとプロデューサーも言っていたし、この場を一刻も早く離れたい。
「リアクションが面白いね」
「もう行っていいかな」
太陽がケラケラと笑ってる所悪いけれど、腕を掴んで歩き出す。
太陽は突然の事に驚きつつも、嬉しそうに着いてきた。
校庭に張り出されたクラス割りを見ながら、太陽と何気ない話をする。
「なんだったんだろう」
「もっと絡まれるかもよ?」
「え、助けて」
「どうしようかな」
「意地悪しないでよ」
想像しただけでへきへきする。
運良く同じ3組になった太陽と下駄箱へ。
教室へ向かう途中、どうしても脱ぐえなった違和感について口に出していた。
要らないお世話だろうけど。
売れたいと思う子が多いこの学園であのキャラはエゴだろうか。
「それにしてあの子」
「さっきの?」
「うん、チグハグだよね」
「?」
太陽はピンと来なかったのか、首を傾げる。
可愛い。
「キャラ作りなんだろうけど、あのルックスだったら王子様系の方が受けそうだなって」
「……言ってあげたら?」
「聞いてくれそうかな?」
「あはは……」