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春うらうら。と、言うんだろうか。違うだろうか。
なんともデカい学園であった。
『歌等学園』
芸能関係の学園として、その手では有名な学園。
中等部から高等部まであり、芸能活動をしながらも高校卒業資格までは貰うことが出来る。
お仕事が入る事もある生徒にはかなり融通を効かせてくれる。
「おっきいな」
「ちなみに私もここを出てるんですよ」
「プロデューサーも!?」
学園の入口で大きな声を出してしまったのか、バッと視線が集まる。
「あっ!」
太陽が慌てて私の口を塞ぐ。
こ、呼吸ができない!!
「あー、その。今更ですが、プロデューサーが着いている生徒はほとんど居ません。悪目立ちしたくないのなら言わない方が賢明です」
「本当に今更ね!」