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タワマンと言うやつを初めて見る。
大きさに目がくらむ。
なぜどん底の次の日にタワマンに居るのだろうか。
人生がまるでジェットコースターに感じる一日だ。
ポケーっと突っ立てると、太陽がタワマンの自動ドアに入る所で私が着いてきてない事に気が付いて戻ってくる。
「凄い?」
「凄いね」
「でも、結局私は子供で住まわせてもらってるだけ」
「将来はどんなところで暮らしたい?」
太陽は私のトランクをかっさらって歩く。
「どこでもいいよ」
その答えた表情は寂しそうに見えた。
だけど、慰める言葉も、その言葉をかける距離感を持ってる訳もなくただ、「そう」と相槌を打つ。
太陽にとって、将来は地雷なのだろうか。
よく分からない。
よく分からないと行けない。
そう思った。なんてったって推しが落ち込む姿はオフでも見たくないからね。