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太陽だけのシーン。
映像で見る全ての媒体は魅力的に惹き付けれるように「加工」されたものなんだ。
そう感じた。そこに言葉にできない乖離を覚えた。
絶望的。やりたくないことを無理やりやったところで。
「…………」
「…………っ」
太陽は目の前にファンがいるかのように振る舞う。
目が合うようで、全身から元気を与えるような。
目を奪われる。
シーンカット。
私は放心していた。
凄いな。
「どうだった!?」
「凄い。あれ?」
「どうした、どうした!?」
「太陽の顔が見れない」
「えぇー!!なんでよ!!」
「プロディーサーさんか?」
「はい。本日はありがとうございました」
「いや、いやいやいや!あんな子を隠してたのか」
「太陽さんですか」
「映像そっちのけになるところだった。原石の時点であんなに輝くもんか」
「初ですよ。まあ、目の前に新しいファンが居たのか大きかったのかもしれませんが」
「あの子か。光るところはあるが……」
「━━━━━の妹さんです」
「…………なんだって」