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「なにこれ」
「これは食べる目的よりもバエ目的だよね!写真撮って!」
「ああ、うん。どうかな?」
「いいよ、いいよ!さっ、一緒に撮るよ!」
「ええ……」
無理やり肩を掴まれてほっぺがくっつけて写真を撮った。
変な顔になってそうだ。
あと、いい匂いするなこの子。
その写真はSNSに挙げられて変な話題になるのはまた別の話。
虹色の富士山みたいな綿菓子を手に持ったまま公園のベンチに移動した。
平日でも人は多く居るし、それが仕事の休みの人も、仕事の人も大勢だ。
そんな中で太陽は話し始めた。
「うちの事務所の子達って訳ありばっかなんだ」
「その筆頭になった気でいるよ」
「あはは、そうだねぇ。ユニット組んだらリーダーは君だね」
「嫌だなぁ」