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「まあ、軽く挨拶は済みました。朝日夢さん」
空気を変えようと話を切り出して当初の予定通りに「私」の事を話す為に場所を変えようとしてくれる。
場違いで、この事務所の淀み。
排除するのは正しい。けど、それは一時しのぎになって、私はもう一度逃げ出すだろう。
心の弱さは変えられない。でも、決めたんでしょう。
弱っちい覚悟を。なら、
「いえ、ここで。話します」
「無理してませんか」
「……ずっと、無理してるよ!訳わかんないよ!でも、逃げたくないよ……」
「……配慮が足りてませんでした。すいません」
「いいよ、どうせこんな状況で最適解なんて無い」
京愛が私とプロディーサーを交互に見て何かを察してゲンナリとして言う。
場違いな態度が私にはありがたかった。
「え、重い話……?」