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「最後はくるまってるコイツだな!」
京愛がソファに座る子供の頭をポンポンとする。
された子は鬱陶しそうに手を払い除ける。
その反動で真深に被っていたフードが剥がれた。
色白にも程があった。もはや病的で、儚げで私は目を奪われた。
「き、綺麗」
「ねー!こーんなにも綺麗なのに!この子は東雲蒼ちゃん!引っ込めじあんなんだ!」
「……そんなのでアイドルできるの?」
純粋な疑問で、他意はなにもないのに、ピシッと空気が凍りつく。
どうやら地雷を踏んだらしい。
初っ端からやらかした。
私は立ち尽くす。
(もう、無理……)