タイトル未定2024/12/21 20:17
「むー、この子は京愛。園絵京愛ちゃん。意地悪なの」
「ケケケ」とわざとらしく笑って「よろ〜」と軽く挨拶をしただけだった。
自己紹介にしては味気ない。こんなにも派手な見た目なのに。
いや、だからこそ見た目を派手にしているのかもしれなかった。
「その制服は高校のですか」
京愛の来ている制服はアイドルが通う高校にしてはあまりにも普通で、疑問に思ったのだ。
セーラー服。古き良き分かりやすいJKブランド。
「ああ、ウチは君らの学校とは別の普通の高校行ってっから。その制服よ」
「一緒の学校に行かないんですか」
あら?そうなのか。事務所と言うからには一括りにしていると思った。
「いまさら転校とかダルいし〜」
「ということは元々アイドルじゃなかったってこと?」
「そそ、チミと一緒。騙されて脅されて〜」
体をよじって抱きして、涙目になってプロディーサーを上目遣いでキッ睨むように見つめる。
冗談なのだろうとは思うけど、これが演技なのだとしたら上手い子だなとは思う。
「変な言いがかりはよしてください。最後に選んだのは京愛さんでしたよ」
「あっれ〜?そうだっけ?」
狼狽したように必死に否定するプロディーサーと、その反応を込で楽しんでいるようだった。
こういうところに目をつけたんだろうなと思った。