120/121
119
「お世話になります。1人分追加をお願いします」
浴衣姿の旅館の人が出てきて挨拶もそこそこにプロデューサーがそう言った。
事前に言っていたことじゃなかったんだと驚く面々。
いくらなんでも急だし、失礼じゃ……と思ったけど、旅館の人は快く承諾してくださった。
「え、こんなあっさり通るものなんだ……」
「この時期は宿泊人分が前後することは多く、それを了承済みで『アイドル達に』貸切にしているんです」
「という事はここの宿泊客って」
「イベントの期間中はアイドルとそのプロデューサーのみです」