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「うっ、うーん……」
いつの間にか寝ていたみたい。
(道端で?)
少し痛む頭を抑えながら周りを見る。まず、室内。ここは白いカーテンで仕切られている場所だった。
天井は学校の保健室みたいな感じ。
だとしても学校なんてことは絶対にない。
上体を起こして現状把握に務める。
(えーっと、迷いに迷いまくって秋葉の事務所?に来た。そこで躊躇ってたら……)
そうだ、滅茶苦茶元気で私とは正反対な女の子に声をかけられたんだった。
で、その後……うーん分かんない。
とりあえず分かることはこのカーテンの向こうは騒がしいと言うことだけ。
言い争う声もすれば、楽器の音もするし、なんかカーテンを開けるのが非常に怖い。
荷物も見当たらないし、凄く嫌だけどカーテンを開けないと何も始まらないし、いつまでも分からないままは、余計に辛い。
シャッとカーテンを開けると、さっき会った女の子、太陽が色んな人に対して何かを言い張っている。
どうも喧嘩には見えないけど穏やかでは無い。