111/119
110
フー、フーと荒い息遣いで手が出る寸前に京愛が私を後ろから羽交い締めしてしまう。
そうなると私はどうすることも出来ず、力を抜くしかない。
ただ、睨みつける視線は何がなんでも外さなかった。
私は殴ることに躊躇はしないと目を訴え続けた。
その成果があったのか、林道涼花はかなりしおらしくなった。
「うぅ……。その、チグハグだし完成度は低いのになんで出るのかって思ったの」
かなり弱気になっても言葉の鋭さは変わってないぞ林道涼花！
でも、言われていることは的を得ているどころかその通りで、言葉に詰まる。
