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緊張なんか既に溶けていたけど、まだ時間はあるとの事なのでしばらく他のライバルたちを見ていくことにした。
それも勉強ですとの事なので、そういう事にして見ようと思う。
次の子はなんと言うか病弱な子だった。
立っているのがやっとに見える。
「あの子は、その、大丈夫なの?」
「うーん、情報にないアイドルですね。急遽決まった子でしょうか。それにしても見ていてハラハラしますね」
全くもってその通りだった。
リハーサルを通しでみてもみっともないものだった。
見てられない。そんなパフォーマンスなのに、アイドルは目を燃やしていた。
「命を削ってるみたい……」