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三途1・三途さんの帰った後

さてさて、今ぼくと彼女はソファで向かい合って……じゃなかった、彼女は例の立派なデスクに、ぼくはソファにおさまっている。


「三途さんって……個人情報保護する必要、別にないんじゃないですかー?」


いや、念のために、ね。


「まぁいいですけど。それにしてもあの人変わってますねぇ。全部本当のこと言ってるみたいですよ」


そーなのか。まぁ世界一の名探偵が言うんだから、多分そうなんだろう。


彼女はぼくより、ものすごーーーーーーーーく類推能力が高いんだろうし。あれ、そういえばぼくが彼女に勝ってることってなんだろ。……ああ、ない。分かってたけど。せめて力が強かったりすればなぁ。ぼくも三途さん並みに、といっちゃ失礼だが、体力も筋力もない。


「どうします?何から調べましょうか」


机にちょっと突っ伏してこっちを見つつ、彼女が聞いてきた。


本当、何をどう調べろってんだよなぁ。


「とりあえず質問サイトで聞いてみますね。あと私が最近嵌ってる大規模掲示板サイトがあるんですが、こっちでも聞いてみましょう」


いや君それ名探偵のやることじゃないから。何机の下からノートPC取上げてるのさ。『なんたら知恵袋』とか『○ちゃんねる』とか使っちゃだめでしょう。ぼくが何のために偽名にしたと……まぁ大丈夫かな、別に本名晒すわけでもないだろうし。


でも探偵的にはどうかなぁ。またぼく、君のこと疑いそうになっちゃったよ。それとも最近は探偵の七つ道具に掲示板も入ってるの?


あ、三途さんの言ってた掲示板ってこれの事か。納得。しかし住所晒すとは……いや、駅の名前でも書いて、警官を迎えに行かせたのかな?お気の毒に。


でも名探偵が使うのはやっぱりなぁ。


「どうしました?」


彼女の方をじっと見ていると、彼女は不思議そうに聞いてきた。


いやぁ……ちょっと言いたい事あったけど、でも考えてるだけじゃどーしようもないと思うし、それにぼくはあくまで助手だからね、君の行為に口出ししないと今決めたよ。


「そうですか……別にどんどん言っちゃっていいですよ?色々。むしろ意見して欲しいです。あの、こーゆうサイトって名探偵は使わないもんなんですか?」


分かってるじゃん。まぁ、少なくともぼくが読んできた本の探偵はそんなの使ってないよ?


そもそもネットなんてものが出てこないことが多いけど。ぼくが良く読むのは外国の古典的推理小説。


だから、現実で現在進行形の名探偵がどうかは知らない。でも、ぼくの意見を言うと、使わないと思うけどなぁ。


「そうですか、ならやめます」


井坂はノートPCをパタンと閉じると、


「じゃあ、実際に三途の川に行ってみましょう。三途さんみたいに、ね」


と言って、にっこりと笑った。


……どーやって、行くんですかい?


「知り合いに世界一優れた催眠術師が居ますから、その人に暗示でもかけてもらいましょうか」


さすが、顔が広いねぇ。でもぼくの周りにあんまり世界一を増やして欲しくないなぁ。


その『世界一位のなんちゃら』ってのはまだまだいるの?


彼女は少し驚いたように目をちょっと丸くして、


「予想外の質問ですね。『それじゃ死後の世界に行ったことにはならない』とか聞いてくると思ったんですが」


いや、それも聞くけど、とりあえず、ね。


「そうですね、『世界一のほにゃらら』ってのは世界に何人もいますが、私の知り合いで日本にいるのはその人だけですよ。海外で私が知ってる人だと、『世界一の情報屋』とか『世界一の運転屋』とかですかね。後者のネーミングはどうかと思いますが。本当は格好良い人なんですけどね」


そうか、とりあえずぼくに関係するのは二人だけってことだね?良かった良かった。


ん?予想外?おお、ぼくは世界一の名探偵の予想を外れた発言をしたのか。ぼくすげー。


「で、さっきの答えですが、正直死後の世界なんて見えっこないので、三途さんの納得できる形で報告しようと思うんですよ。催眠術をかけてもらって、先輩の潜在意識に聞いてみましょう。


彼はこんなこと考えてるより、私たちが論理的な答えを用意してそれに納得して、さっさと就職するのが一番です。二日しかないですし」


前までのぼくなら『その通り』と思ったところだが、君に壊されたからなぁ。ぼくの世界観。死後の世界も見えるかもしれない、と思ってしまう。あれ?そういえばぼくが催眠術かけられるの?名探偵の脳に万一でも障害あっちゃいけないから?


そこまで思って、ふと気づく。


二日しかないって何?


「たくさんの事件扱いたいじゃないですか。だから毎週土日に最低一つの事件を解決したいと思ってるんですよ」


ふーん。まぁぼくも塾あるしね、平日までは延ばしたくない。こいつがいるなら二日で余裕なんだろーな。普段は放課後に解決してるみたいだし。ん?ってことは時間有り余りすぎ?ああ、ぼくに合わせてゆっくり楽しもうとしてるのかな?ああ、だからわざわざぼくに催眠術かけるの?得意であるらしいロジックで理論的な回答を出せばいいのに。


というか、その催眠術師ってすぐ呼べる人なんだね。


「彼は警察の中でも暇な方で仕事してますから。たま~に仕事あるだけみたいですよ?給料は良いらしいですけど。私よりは暇なんです」


胸を張る名探偵。ちょっと自慢気?凄く忙しい部署にいる自分を誇りに思ってるのかな?つーか君どこいんの?捜査一課とか?


ぼくは彼女の思考について疑問点ばかり。


結局天才の思考なんて凡人には分からないんだよなぁ。

眠い。

なんか一編一編が短いよなぁ。

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