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彼女の自宅、あ、いや、事務所へ。

待ちに待った放課後。ぼくは教室で彼女を待っている。そーいや名前なんだ?聞けばよかったなぁ。余りに会うのが楽しみで、5,6時間目には久しぶりにぼーっとしてしまいましたよ。


あ、塾……は今日代休か。すごいラッキー。今日ぼくはツいてるのかもしれない。この幸運を逃さないようにしなければ。


あぁ、部活なんてものがあったっけ?このクラスの奴に部活休むなんて言えないよなぁ。クラスの人は皆、何でぼくが休むか分かるだろうし。それとももう他クラスに伝わっちゃってる?どーでもいいや。


丁度その時教室の外の廊下を同じ部活で他クラスの奴が通った。これ幸いと、ぼくがこれから部活を休むことになる旨を伝える。そいつは理由を尋ねなかった。まぁ、ぼくはしょっちゅうサボッてるもんなぁ。いつの間にサボりキャラ?真面目なぼくとしては避けておきたい所なんだがなぁ。


「こんにちは」


やぁこんにちは。


友人が去っていったすぐ後、やっと待ちに待った彼女の登場である。

いいね。胸が躍るとはこーゆうことだよね。


さて、どうしようか。ぼくの取るべき選択肢は二つ……ってこれ前にもやったよな?

①今すぐ論破

②長い期間彼女の変人ぶりを楽しむ為に彼女に合わせる


ぼくが選んだのは②.①かなぁとちょっと悩んだけど、②→①でも大丈夫かなと思い直した。


「早速ですが、これから暇ですよね?」


すごく暇。あ、でも今日は特別で、平日は塾があるから。助手やるんだったら休日だけになっちゃうけど?


「それでいいです、私も平日の放課後は警察の捜査に協力しているので、どっちにしろ休日しか自由に動けないんですよ。


特に最近事件が多くて。先月末に逮捕された犯人、あれは中々頭良くてですね、さすがの私も苦労しました。ま、結局真犯人を突き止めたんですけどね。昔は現場にわざわざ行ってたんですが、最近はテレビ電話があるから便利ですね~」


そこで彼女は あ、という顔をしてから、


「どーでもいいですね、すいません」


いやいや面白いよ。君はぼくの期待に十分応えられるだけの変人らしいね。


後半の言葉はもちろん胸の中で呟いただけ。しかし先月末の犯人?なんかでっかい事件あったっけ?それすら妄想?だとすれば中々高レベルの妄想人だね。妄想人ってのは今思いついた言葉だけど。なんかしっくりこないなぁ。まぁいいか。


「今から事務所に向かおうと思うので、付いてきて下さい」


そー言われるなら付いていくさ。しかし事務所って……自分の部屋か?まぁいいか、着けば分かる。ぼくは彼女に付いて歩き始めた。


ん?そうだ、彼女の世界観がどうかは知らんが、今日は平日なんだから捜査の日じゃ……?この質問は彼女の世界観を崩すことになるか?②を選んだぼくとしてはそれは避けたい。しかし話を聞いていると設定はしっかりしてるようだし。聞いても大丈夫かな?


そういう旨の質問をやんわりとしてみると、


「今日はたまたま捜査協力の依頼が来てなかったから、助手さんを募集してみたんですよ」


なるほど、そーゆう設定か。即答したって事は彼女の設定は強固そうだし、どんな質問をされても答えてくれそうだ。今のうちに聞いとくか。


えーと、とりあえず、名前?これはいつでも聞けるけど、まぁいいか。後は……どうして天才なのにこんな学校に?もっと偏差値上の所に行けたはずなのに。ぼくの予想では、この質問には『この学校じゃなきゃいけない理由がある』とか何とか言うはず。


「ああ、申し遅れました、名前は井坂椎と言います。


この学校に来た理由ですか?やだなぁ先輩、私は別に頭良くないんですよ。並外れた論理力、他の人とは比べ物にならない思考力、そして長年の勘があるだけです。犯行に使われた薬品が何か知る必要はないんですよ、鑑識の方たちが教えてくれますから。だから探偵に知識は必要ないんです。


つまり、私は犯人を特定するという点については神の如き才能を持っていますが、その他は普通の人間なわけです」


……こりゃ珍しい、自分を凡人と認めたか。でも名探偵にはこだわるんだな。なるほど、それなら全部説明がつきそうだ。まったく、普通にしてりゃあ美人で頭良い皆の人気者になったことだろうに。勿体無い。おっと、まだまだ質問があった。これは別に彼女の世界観を崩す心配はないな。


そういえばなんでぼくらのクラスに勧誘に来たの?


「1年生には前に一通り聞いてみたんですが、誰もいなかったんですよ、該当者が。それで次は2年生だと思って、まずは2-1クラスから始めてみたんです」


なるほど、1年生に該当者が居なかったのか。そしてクラス番号の早いぼくらのクラスから勧誘始めたのか。……ちょっと待て、この学校は中学校も付属してるんだぞ?なんで後輩に頼まない?つーか警官助手にしないのか?


「どうも年下ってのは苦手で。なんというか、馬鹿っぽいというか」


ふむ。それはどう考えてもぼくが君に抱いている感情だけどね。口には出さず、そう心に思う。


「警察の方は堅苦しいですからね、私は苦手なのです」


ふーん。


おっと、いつの間にか校門を出ていた。ふむ、どうやら徒歩で向かうらしいね。って事は家は近所なんだな。また質問を思いついた。ぼくも疑問文以外の言葉を喋りたいんだけどなぁ。


それにしても、なぜ推理小説を読んでる人が良かったの?


「私って周囲から見たら中々信じられない存在じゃないですか。自分の事名探偵って言って。だから、普段から沢山本を読んでる人なら、きっと分かってくれるんじゃないかと思って。早く見つかってよかったです」


そう言って笑う。


……くそ、可愛いな。


ってそうじゃない、ぼくがそんなキャラのはずがない。


こいつは、自分が異質なのも分かってる?ますます珍しいような……。でも。


すっごい、面白い。こいつ。

クリスマスなのに暇過ぎてたくさん書いちゃった僕って何なの? 僕ってすごく残念な人なんだなぁ。

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