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三途4・次の日

昨日・一昨日は正月休み……??

日曜日。本来は10時頃に起きるぼくだが、今日は朝早く起きて軽く朝食を作り、電車に乗って『井坂”名”探偵事務所』へ。どうでもいいけどこの建物近所で有名だよねきっと。はっきり言って目立ってるし。


昨日ぼくが即興で思いついた適当な論理を語って聞かせると、彼女は心底納得したような顔をし、


「それでいきましょう」


と言った。それでいいの?え、それでいいの?本当に?おかしくない?もしかして君今回の依頼つまんなかった?


疑問は湧くが言葉には出さず、出して貰ったブラックコーヒーを啜り終わったぼくは家に帰ったのだ。


そして今日。12時あたりには三途さんが来る。午前中は、ぼくの推論に少し補足を加えたりして最終チェック。それに加えて彼女は、三途さんについての情報を持ってきてくれるらしい。何かの役に立つかもしれないものね。


何それ、誰に頼むの?


ぼくがそう聞くと、彼女は、


「世界一の検索屋にですね。ああ、日本では無くて海外の人ですよ、安心して下さい」


と、言ったのである。それならいいか。


さて、少し汚れた階段を上りきり、ぼくは灰色のドアをノックする。……来ないなぁ。強くノック。……出ない。ぼくは手を強く握り締め、ノック、しようとしたらドアが開いた。


……パジャマ姿。目も眠そう。ぼくは8時に着くってちゃんと言ったのになぁ。でもまぁ可愛いから許そう。え?何この理屈?いや、これは真理だと思うよぼくは。


「あ……うあっすみません!」


そう言うなり彼女はダッシュで3階へ。ぼくはコーヒーでも飲んで待っていようか。




コーヒー(例によってブラック)を啜っていると、井坂は階段を駆け下りてきた。あんまり慌てると転ぶよ?


と思ってると本当に転んだ。意外と音ってしない。床に落ちた時にちょっと大きめの音がするだけ。コンクリート作りの建物だからなぁ、すごく床固いよなぁ。振動はあんまり伝わらないのかな?


おっとそうじゃないぞぼく、今彼女は階段から転げ落ちたんだぞ、冷静に何考えてるんだ。もうちょっと慌てとけ。


といってもぼくは咄嗟に慌てられるほど器用ではないので、ちょっと慌てた感じになりながら、痛そうにしている彼女の元に駆け寄った。あ、今思ったけどぼくって薄情かもしれない。仕方が無い。そーゆー性格だし。


大丈夫?


「大丈夫です。しょっちゅうある事ですから」


痛そうに腰をさすりつつ意外に平気そうな声で返す。それまずくない?


でもこいつが大丈夫って言うんなら大丈夫なんだろうな。


彼女はそれでもまだ痛そうにしつつ、ポケットから何かを取り出した。


「あ、これ資料です、どうぞ」


そう言ってぼくに手渡したのは、USBメモリ。


ん、ありがと。もう読んだ?


「眠くて読めませんでした」


そういってちょっと恥ずかしげに笑う。コーヒー飲んで目が冴えて眠れなかったに違いない。


先最終チェックやって、それから読むとしますか。


「はい!」


元気な声で返事。もう腰も大丈夫かな、安心安心。



最終チェックが終わり、ぼくはデスクに腰掛け、ノートPCを出して、USBメモリを読み込む。井坂はソファで寝っ転がってる。やっぱり眠いんだね。


さて、読むとしますか。


ダブルクリック。ダブルクリック。ダブルクリック。


たくさんの文字がノートPCの映像外部出力端末に現れた。かっこつけて言ったけどこれ合ってるの?授業でちょっとやっただけだもんなぁ、ぼくはそんなにパソコンに明るくないし。


まぁどーでもいいっちゃあどーでもいいんだけど。


ぼくは文字に目を走らせる。


ふーん……結構田舎の方なんだね、生まれは……ぼくも田舎なんだけど。


住所は……ほぉ。年齢。ふうん。へぇ。


余り興味を引きそうな項目は無いなあ。意外と文字数少ないし。世界一の検索屋なりに個人情報保護って事を考えたのかな?ってかこれって完全に違法じゃない?まぁいいか。それにしてもそいつが日本語知ってて良かった。英語だったら一苦労だ。


ぼくは次の項目に目を通す。


……


……ん?


……あれ?




……まさか、三途さんが、ねぇ。




12時ジャスト。


三途さんがやってきた。


もうじき宿題手着けないと……不定期になるかな?まったりと書こう。

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