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三途3・ぼくはこっちに戻ってきた

どうやらぼくはあっちに行きかけたが、ぎりぎりで呼び戻された、という事のようだ。


つかただの催眠術なんだけどね。


でも、まさかこのぼくがかかるとは。


んで、参考にはなったかい?


そう聞くと、催眠術師は金時計を仕舞いながら、


「ならなかったみたいだな」


え?なんで?


「お前の深層心理は案外ガードが固いから探っても表面上の知識しか出て来ない。無理矢理入る事はもちろんできるんだがお前の精神衛生上止めといたほうがいい」


精神衛生上ってお前……。何それ。


「つまり心の奥に入りすぎるとその命令が完全にお前の無意識に反映されて完全に死んだ状態になるわけだ、体それ自体が体の機能を止めようとするわけだな」


なにそれこわい。


「まぁ俺はそれでもいいんだが」


催眠術師は井坂を一瞥すると、


「こちらさんは止めといた方が良いっていうだろ多分」


「当たり前でしょう」


部屋のカーテンを開けていた井坂は呆れたように、


「たかが依頼人一人の抽象的な質問一つに少しでも危ない事するわけにはいかないでしょう」


激しく同意する。というか君なんか酷くない?依頼人への態度。


 「というかお前なんであんなに詳しいんだよ普通あんなに知らねぇだろ」


 催眠術師は少し不思議そうにぼくの方を見てくる。


ぼくは無駄な知識だけは豊富なんでね。


 催眠術師は一瞬疑うような表情を見せた後、納得している名探偵の表情を見て、少し溜め息をつき、


 「本当に無駄な知識しか持ってないんだな」


 と言った。


余計なお世話だっつの。


……おっと話が逸れている。死後の世界について考えるんだろぼくら?


「そうですね……じゃあもう裕ちゃんは帰っていいよ」


「裕ちゃん言うな!あと俺もうこれで帰るのかただの骨折り損じゃないか」


「今度この前欲しがってた『超合金チュパカブーラS・1/64スケール人形』買ってあげるから」


「了解さよなら~」


催眠術師、いや、裕ちゃんは嬉しそうに帰っていった。窓から見ると、軽くスキップしている。誰も見ていないと思って油断したな、はっはっは。


……あれ、あの子、お金持ちじゃないの?


「親にお金は管理されているそうですよ。まだ小学生ですし、当然ですよ」


そうかそうか。それに、君の方はお金持ちだったね。


それで、どうしようねぇ。


「直接的に探るのは一旦忘れましょうか。近くにいたからつい呼んじゃいましたが、催眠術かけて貰ってもあんまり得るところは無さそうですし」


それもそうだね。


「そもそも、三途さんはどうして死後の世界を知りたがっているのでしょうかね。彼は自殺願望があるのでしょうか?」


というか、彼は『向こうが楽しそうな気がする』と言っていたからね。無意識的にそーゆう考えがあるんだろう。それが『向こうの世界を見たい』に緩和されて言動に表れているのかもしれないね。


「そうかもしれないですね。こういう事にこそ裕ちゃんが役に立つのですが……」


彼女は少し困ったような顔をする。


さすがに依頼人を催眠術にはかけるのは抵抗があるの?別に大丈夫だと思うけど。


「いや、また彼を呼び出してたら時間がなくなるので。明日の午後には三途さんに説明したいですし」


違った。


彼女はデスクから立ち上がり、顎に手を当てて部屋の中をぐるっと周回し始めた。おお、名探偵っぽい。


「これはもう論理的にいくしかないです」


そうだね。


「はい、では先輩からお願いします」


あれ、ぼく?この流れだと君からじゃない?それになんか投げやりだよね?まぁ、いいけど。


即興で屁理屈つけて、誤魔化して、あとは君に任せようじゃあないか。

短い。つかこの話自体短い。

サブタイトル長すぎたんで変えました~

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