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柘榴  作者: 汐待 空恭
5/11

柘榴(果実)5

 それは、彼との邂逅がひと月と数回を過ぎたころ。

 その日は、いつもと違った。彼の開口一番の決まり文句が、怪訝そうな表情で打ち切られたから。

「どうしたの」

軒先に腰かけた彼が、立ち尽くす私に問う。いつもの軽やかな声ではなく、心配が滲んだような声だった。いや、心配してほしいという自分の思い込みが、そう聞こえさせたのかもしれない。けれど、問いかけられた。吐き出す大義名分を得た。吐き出してもいいという許可をもらえた、それに変わりはないから。

「ちょっと、疲れた」

心の声が、漏れ出た。

 その日は実習の日で、いつも通りの一日を終えていた。それがダメだった。自分の力不足を、成長の無さを実感してしまって。ずいぶん前に言われた『これは社会に出るうえでも大事なことだけど』と前置きされて助言された内容が、帰宅中の脳内を支配して、枝分かれするように動けなかった、何もできなかった、意気地のない成長もしない自分が次々と浮かんできて。使い勝手のいい手元の機械で答えのない答えを、『どうやったら変われるか』なんてしょうもないことを検索したら、ずいぶんとまあ前向きで行動的な言葉ばかりが出てきて。

 ――ただただ、疲れた。

「別に、辛いことなんて何もないんだ」

出来事の内容なんて一言も話さず、うつむく。

ただただ、生きる希望が見いだせない。自分の行なっていること全てが、正解に向かっている気がしない。真っ暗の中、自分で決めたはずの道すら見えなくなって、息がしづらくなって。いっそここから逃げられたら、と。そればかり考えている。誰かに、雁字搦めに縛られているわけじゃない。自分で歩むと決めたはずだった。はずだったのに。障害物の多さに怖気づいて、勝手に期待していた救いの無さに絶望して、自分の体力やら能力の無さに辟易して。息が苦しくなる。涙があふれる。視界がぶれる。息を、やめたくなる。

「ただ、疲れただけ」

それだけ。

「それだけじゃないよ」

優しい声がして、弾かれた様に顔を上げた。声同様、優しい眼差しと顔を向けられている。違う。脳が否定する。これを受け入れちゃいけない。こんな風にしてもらえるような存在じゃない。優しさに甘えてはいけない。

「それだけ、じゃない。そこまで…いや。ここまで、頑張ったんだよ」

違う。違うんだ。違うんだよ、私は。

「君はここまで、なりふり構わず走ってきたんだ。息切れをして、疲れて当たり前だよ」

違う、違う、違う!

「だから、何もそんなに自分を責めないでも」

「私は頑張ってなんかない!」

思わず、声を張り上げた。

「頑張ってなんかないんだ。他に、もっと頑張ってる人がいる。私は、全然、頑張ってない。流されるまま、考えることもないまま、今ここで疲れただ何だって不満を漏らしているだけなんだよ!」

そうだ。もっと頑張っている人がいる。私がぐうたらと過ごしている間、他の人は何をしている?先を見据えて、将来を見据えて、着実に計画的に、自分の足を進めている。二の足を踏んで立ち止まって何もしないでいる私とは大違いだ。何が疲れた、だ。何が逃げられたら、だ。頑張りもしないで。努力もしないで。たらたらと身の内のものばかり垂れ流して。一体こんなので、何になるっていうんだ。そうだ、だって。

 今ここで、こうして溢しているのも、『そんなことない』と言って欲しいだけなんだろ。

 冷静さを欠いて声を荒げてしまい、ばつが悪くなる。いや、それ以上に。空気が重たい。これ以上彼と向き合っていたら、彼に苦手意識を抱いてしまう。それだけは嫌だ。彼とは、これからもくだらない話をしていたい。呼吸を、息を、生きるのを楽に…

 ――彼を利用するのか。

 頭から、声がした。

 そうか、とようやく気付く。私は彼を、利用していたのか。自分が楽になるために。楽になりたいだって?こんなに恵まれているのに?一般的な、なんなら少し裕福な家に、健康な体で生まれ落ちて、お金の心配もなく病気の心配もなく、当たり前の日常を謳歌しておきながら?自由の許された家で、自分が進みたいと思う道をどうにかこうにか見出して、それを許されて進んでおきながら?それこそ、なんて傲慢な…

『傲慢じゃない?』

 彼の、初めて聞いた軽やかな声の、あの言葉を思い出す。そう、そうだな。

 きっと彼も、そう思う。吐き出そうものなら、拒絶される。

 沈んだ思考は沈んだ感情に引きずられて、より一層落ちていく。気分一致効果だかなにか概念があった気がして、思い出せなくて、勉強不足だ馬鹿だ駄目な奴だとまた落ち込む。ああ、これはもうダメだ。一回落ち切って再び浮かび上がるまで、まともな思考も会話もできそうにない。

「…怒鳴って悪かった。今日はもう」

「言いたいことは終わった?」

帰る、というよりも前に、低い声が言葉を遮った。そちらを見やる。

 ――怒っている。

 静かに、けれど確かに。幼い言動とは裏腹に、駄々をこねる様な喧しさではなく、吹雪いて積もる雪のような、静かな怒りが滲んでいた。初めて見る様子に、息をのむ。

「君の言いたいことは、まあ多分、おおよそはわかったよ。全部わかったとは流石に言えないけど」

そう口にした彼の真剣な表情に呆れも混ざっているように見えて、嫌われただろうかと不安を覚える。こんな面倒なやつ、好かれる方が珍しいか。けれど、この邂逅が終わってしまうのは、嫌だ。

「そのうえで言わせてもらうと」

彼はそこで一度区切ると、立ち上がり、少し上からひたと私の目を見据えて、言った。

「それの何が悪いの」

「…は」

それの、なにが、わるいの。

「ねえ、走るのは得意な方?」

「え、あ、短距離、なら」

言われたことへの理解が及ばないまま、話を進められる。待て、何答えてるんだ自分。

「長距離は?」

続けざまに問われて、どもりながらも「あ、んまり」と答える。会話の意図が読めない。

「俺はね、長い距離走る方が得意なんだ。一瞬でどうこうっていうのは得意じゃない」

ああ、体力ありそうだもんな。納得しかけてそういうことじゃないと自分に突っ込む。なかなかに混乱しているらしい。

「これと一緒だよ。頑張れる人、頑張れない人。日によっても違うかもね。君は今は、頑張れない人だなって、自分で強く思ってる。けれど、ここまで頑張ってこれてたのも事実だよ。君がどんなに否定しようとも、周囲の評価は、現状は、嘘をつかない」

静かに、淡々と。けれど彼の存在そのものを思わせる、人知れず佇み傍にいるような、押しつけがましくない優しさが滲む声音。

「大学院に行くって今の時代、裏口入学なんてもの無いんだから、お金だけでどうこうできることじゃないんだからね。成績とか、準備とか、頑張らないといけないことがたくさんあったんだよ。それに、合格して終わり、じゃなくて、君はこうして1年近く通いきったんだから。それをなんにもなかったなんて言うことはできない。君は頑張ったんだ。君が忘れてるだけで。認めていないだけで。君が、楽をしてきたと思ってるだけで」

耳あたりの良い、聞き心地の良い言葉の羅列に、甘えてしまいそうになる。違う、駄目だよ。そうじゃないんだ。

「でも、私は」

本当に、楽してきたんだ。院に大学に、行きやすくなるように、わざと自分にとってレベルの低い私立高校に行って、指定校推薦で大学受験して、その大学もレベルの低いところで必要最低限の講義を選んで、成績が下がらないようにして。内部推薦で面接だけで受検して、受かって。つらつらと、恥ずかしくて誰にも話したことがなかった進路選択の本心を述べる。軽蔑されると恐れていた私の耳に聞こえたのは、「たくさん考えてるじゃん」という、聞きなれた軽やかな声の事実確認だけだった。

「は、いやこれは誰でも考え着くことで」

「じゃあみんな楽してきたわけだ」

「そんなわけ!」

「でしょ?」

ぐっと言葉に詰まった。押し黙った私に、彼が続ける。

「たくさん考えてきて、そのおかげで、ここまで楽できたんだよ。それって、考えてないことにはならないよ」

自分を卑下すると“みんな”も卑下される。“みんな”を肯定すると自分も肯定される。小さな矛盾を的確に突かれて、脳内の『否』が1つ減る。あくまでも、1つだけ。私がずっと消せないでいたものの中の、その1つが。

「でも、将来の仕事とかは早々に決めて大して調べもしないで」

「それだけどさ、今すぐにどうこうしなきゃいけないこと?」

こちらの声を遮り、首をかしげて問われて、はく、と言葉を失った。そんな、そんなのは。

「あ、たりまえだろ」

「だってさ、仕事なんて今の時代、ころころ変えたり探したりするもんじゃないの?副業とかだってあるし」

「…極論だ」

「君だって結論を急いでるんだから、お互い様だよ」

急いでいる、んだろうか。そうかもしれない。ちょうど一年ほど前、大学院に落ちたと思って落ち込んでいた時のことを思い出す。80過ぎの祖父から言われた『まだ若いんだから』という言葉を。その時抱いた、目から鱗というにふさわしい感覚を。そうか、急いでいるのか、私は。

「悩むものだと思うよ、仕事って。だって、これからの人生の大半を占めるものなんだから」

散々聞いてきたはずの、言われてみればその通りだという言葉が、ようやく脳内と心に沁み込む。胸に渦巻いていた激情も憂鬱も、強風が吹いた後のように、微かな騒めきだけを残して落ち着いてくる。

「その仕事を、道を選んだ、きっかけはなんにも無いの?」

落ち着きを取り戻しつつある中、静かに問われて、ゆるやかに心と頭が浮上し始める。この仕事を、道を目指した、きっかけ。

 ――ある。

 心の、素直な部分が、答える。

 人の役に立ちたかった。人の役に立つことを考えた時、誰かから相談を受けることにやりがいを感じた。それを仕事にできたら、と、思った。そうしたらきっと、自分という存在に、価値を感じられるだろうと、そう思った。叶うなら、自分のように苦しむ人に、『苦しいって言っていい。吐き出していい』と示したかった。示すことで、少しでも息がしやすくなってくれればと思った。自分がしてほしかったことを誰かにできたら、それはきっと誰かの役に立つことで、自分の存在意義を得ることで、自分自身すら救うことにつながると思ったから。誰かを救うなんておこがましいことは言えないけれど、それに近い何かを仕事にしたかった。

 ――この世界に存在してもいいという、免罪符が欲しかった。それを考えたときに浮かんだのが、この仕事だった。

「泣くほど大事なものなら、それはきっと、君が譲れない何かで、だからこそ早いうちに決めたくなったんだと思うよ」

自分でも気づかない間に、涙が零れていた。自分でも忘れていた純粋な思いが、願いが、消えることなく存在していた。消えずに、まだ残っていた。自分の根幹として揺らがず歪まずあったそれが、どうしようもなく胸を打つ。忘れててごめん。まだあって良かった。無くさずに持っていてよかった。大事にしたい。絶対に無くしたくない。溢れるそれらが堪えきれなくて、ぼろぼろぼろぼろ、取り繕うこともなく涙を流す。けれど、でも、思いだけでは変われない。世界は、現実は、苦しいことに変わりない。

「じゃあ、どうしたらいいんだ。これまでが頑張れていたとしても、今頑張れない私は、どうしたら」

「どうしたい?」

間髪入れず問われる。

「君は、どうしたいの?」

再度私に、“私”を問われる。真っ黒な瞳が鏡のように見えて、自分の心が写されている錯覚を抱く。どうしたい、と言われれば、本音は。

「逃げたい、けど、逃げられない」

「どうして?」

「だって…」

逃げたら、みっともない。“みんな”の期待を裏切る。がっかりする。

 ――違う。

 違うだろ。“みんな”なんてどうでもいい。みっともないのなんて今更だ。がっかりするのも裏切られるのも、“みんな”などではなく、自分の心の底にあった、あの思い。

「だってきっと、逃げたら後悔する」

ここまで頑張ってきたというなら、それを今ここで無に帰すのは、絶対に嫌だ。ここまで頑張ってこれていたというなら、これからだって頑張れるはずだ。あと1年、何が何でもやりきれるはずだ。嫌だけど、面倒だけど、やめたいけど、逃げたいけれど。でも、

「あんなちっぽけな尊厳が私の譲れないものだっていうなら、これから先きっとまた、同じ道を歩むから。同じことで悩むから。だから」

そうだ、逃げられない、じゃなくて。

「逃げたくない。辛くてやめたくてたまらなくても、逃げたくない。逃げたくないんだよ」

誰かに救いを求めるくらいには、今この状況を、どうにかしてやりたいと思っているんだ。思っているはずなんだ。だから私は、逃げたくないんだ。

「だいじょうぶ」

声が、した。いつか聞いた、泣きそうになるほど、優しい声。その主の、声同様優しい人から、柔らかな微笑とともにゆっくり抱きしめられる。顔を肩にうずめるよう、柔らかな手で促される。それは、あの時私の頭をなでていた、安心する手で。

「だいじょうぶだよ、絶対に」

温かい、体温。あの時包み込まれた熱と、同じ。

「絶対なんてあるか」

諦め悪く悪態をつく。涙は止まる気配がない。彼の服を濡らしてしまう、と冷静な部分が呟くけれど、この温もりから離れたくなくて、手放したくなくて、目の前の体に腕を回ししがみつく。

「あるよ」

揺らぎのない声で、彼が言う。

「少なくとも、たとえ君が信じられないとしても、俺の思いは、絶対だから」

緩く背後に回った手が、ぐずる子供を寝かしつけるみたいに、ぽん…ぽん…と一定のリズムでリュックを、背をたたく。きっと落ち着かせる目的で行われたのだろうそれは、むしろ私の嗚咽を誘った。こんなにも誰かに許されたのは、いつぶりだろう。

「もし、駄目だったら」

弱気な自分も誘いだされ、弱音が零れ落ちる。なんて返してくるだろうか。今度こそ幻滅されるんじゃないか。まるで幼児の試し行動のようで、退行しているのかもな、とぼんやり思う。

「そのときはまた、君の心が決めればいい。それでいいんだよ」

身構えていたというのに、随分と簡単に返されて、思わず「そんなもんなのか」と笑ってしまった。そっか、そんなもんなのか。心ってやつを信じて、従えばいいのか。

「そんなもんだよ。少なくとも、君が思う限りはね」

叩く手が止まって、先ほどまでよりも力を込めて抱きしめられる。その力強さに安心して、身を任せたくなる。力を抜いて、預けてしまいたくなる。けれどせめて、自分の両の足で、立っていたくて。

「だから疲れた今は、好きなだけ泣いていいよ。俺が、傍に居るよ」

瞼を閉じ、“俺”と言う、その人を思う。この神社の陰鬱さをすべて取っ払い、清らかで洗練された、澄んだものだけで満たされたような人。雄大で、けれど海のような眩暈がするほどの際限のなさは無い。時折風を受けては波紋を広げる、湖みたいな人。今まで出会った中で、一番“きれい”なひと。

「君は頑張ってきた。頑張れる人だ。努力できる人だ。逃げずに立ち向かえる人だ。逃げたくないっていうなら、心がそう思っているなら、絶対だいじょうぶ。頑張れる。やりきれる。夢を叶えられるから。俺が傍に居るからね」

欲しかった言葉を全部くれたその人に抱きしめられながら、いつもとは違う意味で『死にたい』と思った。

 ――なによりもいつよりも一等幸せな今、死んでしまいたい、と。




 日が落ち、街灯が輝く、暗い境内の中。控えめな嗚咽が止むと、いつも通りの静けさが戻ってくる。

「…はずい」

泣き止んで落ち着いて真っ先に浮かんだのはそれだった。口から出てきたのもそれだった。

回されていた腕の力が弱まって、ゆっくり顔を上げる。ぱちりと目が合うと、彼は先ほどまでとは別種の、嬉しさをにじませたような、そんな顔をした。

「目も鼻も真っ赤だ」

薄い唇がむにゅむにゅと動く。これの動きは、彼がにやけそうになる口元を必死に押さえる時の癖だと、これまでの邂逅で知っていた。

「るせ」

気恥ずかしさから悪態をつき目をそらす。迷惑をかけたうえこんな態度では、そろそろ愛想をつかされるかもしれない。

「だいじょうぶ」

不安にこたえる言葉が聞こえて、驚き彼を見る。

「だいじょうぶだよ」

優しい笑顔を信じたくなって、ぐっとこみ上げるものを感じて「やめろまた泣くだろ」と取り繕う。一度大きく深呼吸して、ゆっくり彼から離れた。包んでくれていた体温が無くなって寂しいような物悲しいような感じがして、ぽかぽかと熱が残っている気もする。マフラーは涙を吸って冷たくなっていたけれど、寒くはない。これならいっそと思い、マフラーを外した。

「ありがとう。なんか、すっきりした」

想いの沁みたそれを握り締めて、呟く。

「多分あんまり変わんないかもだけど、でも、頑張れる奴だって、大丈夫だって言ってくれる奴が一人でもいるなら、もうちょい胸張っていけそうだなって、やってみるかって、思った」

彼を見据えて、言う。視線の先の彼は、一瞬、ほんの一瞬瞳を揺らし、すぐさままた微笑んだ。今のは見間違いだろうか。と、低い振動音が短く鳴る。きっと母さんだ。予定よりも帰りが遅いから、何か連絡を送ってきたのかもしれない。腕時計を確認すれば、いつもよりも10分程度長くいるくらいで、そこまで遅いわけでもなかった。これならごまかせるだろう。泣いたのはまあ、バレるかもしれないが。

「帰る?」

問われて、頷く。同時に離れがたく思って、もう少し話をしていたいと思ってしまった。今日は金曜で、次に会えるのは週明けの月曜。2日は彼と話せない…いつも通りなら。けれど、少しくらい自分の我儘で変化を求めたっていいだろ。

「また、来てもいいかな。明日、とか」

拒絶されたらどうしよう。困らせたらどうしよう。迷惑ではないだろうか。渦巻くネガティブな感情を認めながらも、覚悟を決めて口にした。「明日…」と小さくつぶやいた彼は、真っ黒い瞳を大きく見開き輝かせて、

「うん!もちろん!」

お手本のような“喜び”の表情を浮かべて元気いっぱいに言った。肩透かしを食らう。なんだ、平気じゃん。喜色満面の、頬を淡く染めた彼の笑顔を見ながら、少しだけ前に進めた気がした。

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