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第九十八話 ナースコール
雪は病室で眠った顔の公平を見ていた。
「真野・・・どうして・・・?何で起きないの?真野・・・
返事してよ・・・目が覚めないのなら・・・また生霊でもいい・・・
帰ってきて・・・お願い・・・」
雪の目から涙がこぼれ落ちた。
それから3日が経った。
「真野・・・私あなたが・・・あなたの声が聞こえないことが
こんなに辛いなんて・・・私・・・やっぱり・・・
あなたの事・・・好きなのかしら・・・」
その時―――――――
公平の指が一瞬、動いた。
雪はすぐそれに気付いた。
「え・・・真野?!ねえ!真野!聞こえる?!」
慌ててナースコールを押した。
ガラッ
「どうしましたか?」
看護師が入って来た。
「今・・・真野の手が・・・」
「動きましたか?」
「はい。」
「先生を呼んできますね!」
医者が病室に駆け込んできた。
「公平くん!分かりますか!?公平くん!」
医者は何度も呼びかけた。
公平のまぶたが、かすかに動いた。
そして――――――――
公平はゆっくりと目を開けた。




