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荒井雪   作者: うきみ
93/102

第九十三話 決勝戦

そして決勝戦―――――


雪は赤コーナーだった。




「構えて!」

雪と相手の茶帯は向かい合い、主審の声は会場内に響き渡った。


そして主審は雪と相手の間から一歩下がって叫んだ。

「始め!」


「先生、落ち着いて!」


なにこいつ・・・デカい・・・私より縦にも横にもデカい・・・


「慌てないで!」公平は雪のすぐそばで応援していた。


相手はゆっくりと近づき雪の腹を狙ってきた。


「先生!腹に力入れて!回って!」


雪は公平の言う通りに動いた。


「相手は動きがのろいからスピードだよ!動き回って!でも後ろには

 下がっちゃだめだ!」公平は更に続けて言った。


「先生!突きと下段!」


雪は相手の胸やみぞおちをパンチで突きながら太ももを蹴った。


不思議・・・以前に道場で黒帯の高坂さんとの練習試合の時よりも動いてるのに・・・

全く息が切れない・・・ずっと走ってたから・・・?


「先生!相手の攻撃は全部受けて!後ろに下がりさえしなければ手数で勝てるから!」


雪は相手の攻撃をかわしながら動き続けた。


「先生の突き効いてるよ!」


雪は更に力強い突きで攻撃をした。





ピー!!




「やめ!」

主審が雪と相手の茶帯の間に割って入った。




そして・・・審判の判定を待った。審判はコートの角に2人そして主審の3人だった。




「判定を取ります!判定!」

また主審が叫んだ。



ピッ!!



「白1!、赤1!」主審が二人の審判の旗を数えた。

この時点では引き分けだった。後は主審の判定のみが残る。





「主審・・・・・」

公平と雪は主審の判定に耳を澄ませた。







「赤!!」






「先生ーー!!!やったじゃん!!!」




うそ・・・勝った・・・?




「先生!優勝だよ!すごい!」




真野・・・




「正面に礼!」


「押忍!」


「主審に礼!」


「押忍!」


「お互いに礼!」


「押忍!」




雪は記録係に名前を告げ、決勝相手に挨拶をしに行った。


「ありがとうございました!」雪は言った。

「あ!ありがとうございました!強いですね!次回は勝ちますから!」

「はい!私も負けません!」

「優勝おめでとうございます!」

「ありがとうございます!」

そう言って二人は別れた。


「先生!優勝おめでとう!!」

「真野!あなたのおかげ!本当にありがとう!」

「違うよ!先生が頑張ったからだよ!」



まさか本当に優勝できるなんて・・・信じられない・・・


雪は涙を流して喜んだ。


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