第八十七話 真犯人
次の日――――――――――――
「先生!行くよ!」
あー眠い・・・いつもよりも1時間半も早い・・・
公平と雪は次の日の朝から毎日学校までの道のりを走った。
「はあっ・・・はあっ・・・・いったい家からここまで何キロあるかしら・・・」
校門へたどり着いた雪が言った。
「10キロもないよ」
「これが毎日続くのね・・・痩せそう・・・」
「ははは。良かったじゃん!先生。」
「確かにね。私シャワー浴びてくるから。覗かないでよ!」
「分かってるよお。」
雪は学校でシャワーを浴び着替えて職員室へ行った。
あ・・・まだいつもより早い・・・
「おはようございます荒井先生!今日はやけに早いですね。」
「あ、教頭先生!空手の試合が近いので今日は自宅から走って来たんです。」
「えー!そうですか!すごいですね!いつですか?試合は」
「次の日曜です。」
「日曜ですか・・・あ・・・残念ですね・・・予定がなければ応援に行きたかった
のですが」
「あ、いえ。ありがとうございます。大丈夫です。」
「では、頑張って下さいね!」
「はい。」
そして教頭は続けて言った。
「あ、そうそう」
「はい。」
「真野が買っていた犬の件ですが・・・」
「え・・・?」
「捕まりましたよ。犯人・・・」
「捕まった・・・?」
雪と公平は目を合わせた。
「誰だったんですか?」
「昨日の夕方警察から連絡がありまして、この近くに住んでいる男だった
みたいです。なんでも犬の鳴き声がうるさいからと・・・それ以外にもカラスや
ハトの残虐死体が相次いでいて、たまたま近所の住人の方が目撃して通報された
みたいです。ただそれが処罰対象になるかどうかが難しいところみたいで、
すぐに釈放されるかもわかりませんので、気を付けて下さいとの連絡でした。」
「そうですか・・・怖いですね・・・わかりました。」
雪はそう教頭に答えながら公平を見た。
「先生・・・なんだよそれ・・・うるさいから殺すって・・・」
真野・・・・
「そんなの・・・人間のすることじゃないよ・・・」
「あ、荒井先生!それからもう一つ。」
「あ、はい。」
「真野の入院費ですが、支払いがされていないらしくどうなっているのかと聞かれた
のですが・・・ご存知ですか?」
「え・・・?あ・・・私も真野の両親には会ったことが無くて・・・
今日連絡してみます。」
「そうですか?よろしくお願いいたします。」
公平は涙をぬぐっていた。




