第八十三話 お一人様
≪リーーーーーーーーーン≫
朝、静まり返っていたその部屋に目覚まし時計の音が鳴り響いていた。
雪はそれを止めてまた眠ってしまった。
「雪!起きなさい!」雪の母親が下から叫んだ。
が、雪は無視をして眠っていた。
ガチャ
「雪!いつまで寝てるの!遅刻するわよ!」
「あ・・・お母さん・・・今日は創立記念日だから休みなの。
だからもう少し寝かせて。」
「え?そうなの?だったらもっと早く言ってよ!」
「ごめーーん」
「お母さん今日ちょっと出かけるけど」
「あ・・・うん。いってらっしゃーいー!ふぁーーあ」
ガチャ
母親は雪の部屋を出て行き階段を降りて行った。
しばらく雪の寝顔を見ていた公平がベッドの中で雪を呼んだ。
「先生?」
「ん・・・?何・・・?」
「今日って創立記念日だっけ?」
「違うけど。」雪は答えた。
「え?」
「だって今日もし学校に行ったら、どおせあのキモイ児島の葬式に行かされる
だけじゃない。そんなの絶対にごめんだわ。」雪はベッドから起き上がった。
「あ・・・そういう事か」
「あれ・・・先生・・・目・・・腫れてるよ。」
「げ・・・うそ・・・まじで・・・?」
「うん」
「やっぱ休んで正解」
「ははは」
「はあーーっ・・・なんだか目が覚めちゃったわね。ねえ、今日何処かに
出かけよっか?!」
「え?!ホントに!?先生とデート??!!」公平は飛び起きた。
「ええ」雪は笑顔で答えた。
「やったーあ!!」
「そんなに嬉しい?」
「うん!何処行くの?」
「何処でも。」
「僕、遊園地とか行きたい!」
「えーー?ホントに?」
「だめ?」
「いいわよ。チケットも一人分でいいし。こういう時便利よね!見えないって!」
「先生何だよそれ!」
「あはは!冗談よ!よし、早速支度しよっかな!あ・・・その前に学校に電話・・・」
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「じゃあここで待ってて!」雪は公平から離れチケットを買いに行った。
「大人一枚で。」
「何乗る?」
「僕あれ乗りたい!」
「え・・・?」
並んでいた雪の後ろに3人連れがやってきて並んだ。
「すみません。ここ、後ろの方とご一緒でもよろしいですか?」クルーが言った。
「あ・・・ごめんなさい・・・私、隣に人がいるとどうもだめで・・・先に乗って
もらっても構わないので一人で乗りたいんですが・・・」
「あ・・・わかりました。」クルーはそう言って雪の隣を空けた。
雪は公平に笑いかけた。
二人はそれに乗った。
「ギャーーーーー!!もう!なんでいきなりジェットコースターなのよ!!」雪が叫んだ。
「えーーー?何?聞こえない!!」
「だから!何でいきなりジェットコースターなの!?」
「え?なんて?!」
「もういい!ギャーーーーーーーー!!」
雪と公平は遊園地で一日中遊びまわった。




