第七十二話 別れた理由
「何?」
自分とは違うタイプの梨華に話しかけられて亜紀は少し動揺した。
「あんた何で輝と付き合わないわけ?」
「え・・・?」
「あいつさあ、すっげえあんたの事好きみたいだけど。」
「うん。」
「好きじゃないの?あいつのこと・・・」
梨華は口紅を塗りながら言った。
「分からない。」
「いいじゃん!付き合っちゃえば!あいつ頭はキレるし、イケメンだし言う事
ないじゃん。」
「じゃあ、梨華さんはどうして輝と別れたの?」
「ああ、あたしが付き合ってたのは中学入ってすぐだったから、頭いいとかあんま
分かんなかったし、そんなにその頃あいつモテてなかったんだよね。しかもさ、」
「しかも?」
「あいつ野球部なんかに入っちゃってさ。彼氏がハゲなんてまじあり得ない
ってゆーかさ。」
「そ・・・そうなの?」
「うん!ま、そういう事だからさっ!亜紀ちゃん!」
と梨華は亜紀の肩に手をおいた。
そして、亜紀に言った。
「だからさ、ぐずぐずしてたら取っちゃうよ!輝の事。」
「え・・・?」
そう言って梨華は個室に入った。
しばらくして亜紀はトイレを出た。
「あ・・・輝・・・今トイレで梨華さんに・・・」
「ああ、俺も会ったよ。あいつ・・・なんか亜紀に言った?」
「うん。」
「えーー?!何言われたんだよ!」
亜紀はしばらく黙っていたが輝に返事をした。
「早く輝と付き合えって・・・」
「え?」
輝はトイレを出て歩いて行く梨華を見た。
梨華はこちらを向いて笑顔で手を振っていた。
サンキュー梨華・・・
輝と亜紀は梨華に手を振った。
「彼女すごく大人だね!」
「ああ。そうだな。」




