第七話 朝勉
次の日の朝公平は早く起きて学校へ行った。
上靴に履き替え階段を上がり廊下に出て教室に近づくと
数人のクラスメートの声が聞こえてきた。
あ・・・だよね・・・結構みんな来てるんじゃん。
ガラガラッ
公平は勢いよく教室のドアを開けた。
「おはよー」
「あれ?公平早いじゃん。めずらしー・・・」成績上位の輝が言った。
「うん・・・とりあえず勉強。」
公平の後から亜紀が入って来た。
「あれ?亜紀も?」
「あ・・・うん」
続けて雪が入って来た。
「お、先生!来たじゃん!ラッキー!聞いてこっ」輝は教科書を持って雪の所へ行った。
席に座った公平はとりあえず教科書を開き、雪をじっと見ていた。
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1時間目の授業の準備の為、雪は教室を出た。
公平はすぐに席を立ち、雪を追いかけて言った。
「先生!今度ラーメン食べる日いつ?」
「そんなのわからないわよ。あ・・・今日勉強見てあげられなくてごめんね
また明日早く来て。」
公平は返事をせずに教室に戻った。
あ・・・傷つけちゃったかな・・・?一応約束だったし。
雪は公平の後姿をしばらく見ていたが、そのまま廊下を歩いて行った。
次の日もその次の日も公平は朝早く来ることはなかった。