第六十三話 スキップ
キーンコーンカーンコーン♪
よし・・・今日も終わった・・・さあ・・・帰ろ・・・
雪はカバンを持ち、職員室を出ようとした。
「先生!帰るの?」笑顔で公平がやって来た。
雪は公平を見て思った。
あ・・・こいつがいたんだ・・・え・・・ちょっとまって・・・もしかして・・・
これから24時間ずっと私の周りをうろつくって事・・・?
「どうしたの?せんせっ!」
いいのよ・・・いいのよこのあどけない笑顔・・・癒される・・・でも・・・
あり得ない・・・ずっとはあり得ない・・・
「何考え込んでるの?早く帰ろうよ!」
おーーー貴様は・・・当然のように、うちに居座るつもりかっ・・・
「え、ええ・・・帰りましょ。」雪は仕方なく答えた。
公平は楽しそうに学校を出た。
その後を雪も歩いていた。
おい・・・何スキップしてやがんだ・・・生霊が・・・それって・・・もっと
おどろおどろしいものじゃ・・・なんでこんなに陽気なんだ、こいつは・・・
突然公平が足を止めた。
「あ・・・母ちゃん・・・」
「え・・・?」
見ると、公平の母親がスーツを来た男と腕を組み公平の家に向かっていた。
「一緒にいるのはお父さん?」
「違うよ。多分お客さん。」
「お客?」
「うん。夜に母ちゃんが働いてるとこに来るお客さんじゃないかな。」
「夜・・・?」
「うん、まあ、そういう店で働いてるんだ。僕ん家、借金あんだよね。」
「そう・・・」
「僕もバイトするって言ってるんだけど、お前の稼ぎなんて、あてにしてないってさ。」
「お母さんが・・・?」
「うん。ね!先生行こう!」
「え、ええ・・・」
しばらく二人は無言で歩いていた。
「あ・・・そうだ先生!」
「何?」
「僕お墓参りに行きたい。」
「お墓?」
「うん。死んだ子犬の・・・」
「あ・・・」
「生霊がお墓参りってなんか変だけどねっ!」公平は笑顔でそう言った。
「そうね。じゃあ明日土曜日だし行ってみる?」
「うんっ!」




