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第五十六話 驚き
雪は公平の病室へと向かった。
公平もあとから追いかけた。
病室のドアの前で雪は立ち止まった。
「まだあるわよ。あなたの名前・・・」
公平はドアの横に書いてある自分の名前を見た。
ガチャ
雪はそのドアを開けた。
そこには昨日と同じ、意識不明の重体で眠っている公平の姿があった。
雪と公平はしばらく、あまりの驚きに声が出なかった。
「これは・・・どういう事なの・・・?」雪が言った。
「・・・・・・」
「あなたは死んでいないのに・・・何故あなたが幽霊になってそこにいるの・・・?」
「先生・・・」
「これって・・・」雪は手を口にあて言った。
「これって?」
「生霊 いきりょう ってこと・・・?」
「生霊・・・?」
「だって・・・あなたは霊だけど・・・死んでない・・・」
「え・・・?僕ってどうなっちゃうのかな・・・もうすぐ死んじゃうのかな・・・
それともこのままって事・・・?」
「死なないわよ!きっと死なない・・・きっと元に戻るから・・・」
「先生・・・」
二人はしばらく黙ったままそこに立ちすくんでいた。




