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第五十三話 ハンガー
≪リーーーーーーーーーーン!!!≫
雪の部屋の目覚まし時計がけたたましく鳴った。
雪は布団の中からそれを止めた。
半分だけ目を開け、ベッドから降りた。
雪は昨日の事を思い出していた。
真野・・・今日こそ真野に目を覚ましてほしい・・・
雪はクローゼットから洋服を取り出し、鏡を見ながら着替え始めた。
よく見ると、鏡越しにベッドで男が眠っているのが見えた。
「ギャーーーーーーーーー!!!!」
1階から慌てて駆けつけたのは雪の母親だった。
「どうしたの?!雪」
「べ・・・ベッド・・・ベッドに誰かいる!!」
「え・・・・?」
近くにあった少し大きめのハンガーを持ち母親は布団をめくりあげた。
ガバッ!!
「誰もいないじゃない・・・・」母親はホッとしてハンガーを下ろした。
「うそ!いるじゃない!そこに!!」雪は向こうを向いて身体を丸めて
眠る男を指さした。
「もう!朝から何寝ぼけてんの!!早く支度して降りてきなさい!!」
母親は怒って階段を降りていった。
雪は母親の置いて行ったハンガーを再び持ち、おそるおそるベッドに近寄った。
向こうを向いていた眠っている男が寝返りをうち、雪の方を向いた。
え・・・・
雪は持っていたハンガーを下に落とした。
真野・・・?




