第五十一話 どうなってんの・・・?
あれ・・・ ここは・・・? 病院・・・? 僕・・・どうしたんだっけ・・・?
あ・・・車にひかれたんだ。 誰もいない・・・今は・・・夜・・・?
その時、病室のドアが開き、看護師が入って来た。無言で身体に何かをしている
様子だった。
白衣の天使って・・・こんなに愛想悪いのかな・・・僕の顔がぐちゃぐちゃとか・・・?
作業を終えた看護師は病室の外に出て誰かと話をしていた。
公平はベッドから起き上がった。
僕・・・一体何日眠ってたんだろ・・・なんか・・・気分がいい・・・
僕の顔・・・どうなってるのかな・・・ちょっと・・・トイレ・・・
公平はベッドから立ち上がり、病室を出た。そしてトイレに行き、自分の顔を見てみた。
別になんともないな・・・頭とか打ったのかな・・・
公平は髪を触り、傷口を探してみた。
ケガとかしてないな・・・そんなに長い間眠っていたのかな・・・
あ・・・子犬・・・どうしたんだろ・・・先生・・・ちゃんと埋葬してくれたのかな。
会いたいな・・・先生に・・・ちょっと・・・抜け出せるかな・・・
公平はそのまま病院を抜け出し、外に出て雪の家へと向かった。
あ・・・電車・・・金・・・まあいいや。身体もなまってる事だし、先生の家まで
歩いて行こう。
公平はしばらく歩いた。
≪リンリンリンリン!!≫
あ・・・!自転車!!
公平はかろうじてその自転車をよけた。
危ないな・・・!!もう・・・もういやだよ!痛いし・・・
公平は通り過ぎた自転車をにらんだ。
その直後、公平の身体の中を大きな風のようなものが通り過ぎた。
「うわっ!!」
公平は驚き目をつむり、またすぐに目を開けた。
そして目の前を誰かが走り去っていくのが見えた。
え・・・?今あの人・・・あんなに僕の近くを走らなくても・・・
でも・・・今・・・僕の身体の中から通り抜けていくような感じがした・・・
まさか・・・幽霊かな・・・長い間眠ってたから・・・変な力が芽生えたとか・・・?
あ・・・車・・・!!
通りを歩く公平の背中をヘッドライトが照らした。後ろを振り返った公平は
近づく車が恐ろしくなり後ずさりをした。曲がり角を過ぎた時、再び別の車が
クラクションも鳴らさずに公平めがけて走って来た。
あっ!!・・・
また、ひかれる・・・!!
思い切り目をつむったが、何も痛みは感じなかった。どれどころか車は公平のすぐ目の前に
現れそして消えたような感覚だった。
車は公平の身体を通り抜けていた。
え・・・どうなってんの・・・?
公平は近くのコンビニへと入ろうとした。
え・・・!!
公平はそのコンビニのドアを開けることなく、店の中へ入ってしまった。




