表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
荒井雪   作者: うきみ
46/102

第四十六話 後悔

「どう・・して・・」


雪はその場に立ちすくんだ。


「先生・・・これって・・・亜紀じゃ・・・ない・・・よね・・・」


公平は子犬をなでながら言った。


「小宮さん?」


「違うよね・・・?」


「まさか・・・どうして?」


「昨日の夕方会ったんだ・・・ここで亜紀と。あいつ・・・僕たちが会ってるの、

 どこかで見てたかも・・・」


「でも、私たち一度だけよ。ここで会ったの。」

「でも・・・あいつ・・・思い込み激しいし・・・たまたま僕たちが会ったのを

 見て勘違いして・・・」


公平が雪を見上げた。

「そんな事ないわよ、いくらなんでも・・・」

雪は血のついた公平の手を見ていた。


「そうだよね・・・亜紀のはずがない・・・」

公平の涙が子犬の身体を濡らした。


「ねえ先生・・・こいつ、どうしたらいい?」

「そうね。ここに埋めるわけにも行かないし・・・行政に言っても多分・・・

 ゴミとして扱われるだけだと思う・・・」


「ゴミ・・・?」

公平は怒りと悲しみに満ちた顔で雪を見た。

「ええ。」


「ゴミじゃないよ!!だってこいつ、昨日までちゃんと息してたんだよ!ちゃんと

 生きてたのに・・・僕の・・・僕のせいだね・・・僕がもっと最初からちゃんと

 飼い主を探してたら・・・こんなところに放っておくんじゃなくって・・・

 こんなことになるなら・・・隠してでもアパートに連れて帰ってれば良かったんだ!」


肩を激しく上下させて泣く公平を見ていた雪も涙が止まらずにいた。


「あなたのせいじゃないわよ。」


「でも・・・」


「真野・・・」

雪は公平の傍らにしゃがみ込みそっと肩に手をおいた。


「民間の業者ならきっときちんと埋葬してくれるわ。」

雪はその手で涙をぬぐい公平に言った。

「でも・・・それってお金かかるんでしょ?」

「ええ・・・数万くらいだと思う。」

「そんなの無理だよ。母ちゃん出してくれないと思う。」公平は激しく首を左右に振った。

「大丈夫。それは私が出すから。」

「本当に?」

「ええ。すぐに今から探してみるわね。」

雪はそう言ってスマホを取り出し探し始めた。



そして―――


「連絡ついたわよ!明日その子迎えに来てくれるみたい。」

「ホントに?」

「ええ。それまで教頭に言って学校であずかってもらえないか頼んでみるから。」

「先生・・・ほんとにありがとう。」公平は涙を拭いて言った。


公平は子犬を抱え、雪と一緒に公園を出て学校へ向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ