第四十一話 坂道
輝は亜紀の家の前まで来て言った。
「亜紀!明日昼までで学校終わりだろ?!どっか行こう!」
「あ・・・じゃあカラオケとか・・・?」
「あーカラオケかあ・・・了解!昼飯はどうする?」
「あ・・・ずっと病院食だったしお昼は家でお母さんと食べようかな。」
「じゃあ俺、亜紀を家に送ってから一旦帰ってチャリンコで迎えに行くよ!」
「えーいいよ!そんなの輝が大変じゃん!それにあの坂、自転車ちょーつらいし!
明日は私が輝ん家まで行くから私服に着替えて自転車持って来て。
お母さんが毎日病院に来てくれた輝に一度ちゃんとお礼も言いたいって
言ってるし、私の家で一緒にご飯食べない?あの坂、私も輝の自転車
押してあげるから。」
「え・・・まじで・・・了解!」その日は雨だった。
次の日―――
輝と亜紀は二人で自転車を押し、坂を上がろうとしていた。
その坂はたまに車が抜け道として通れるくらいの広さがあった。
≪パッパーーーーン≫
車がかなりのスピードで坂を降りてきた。
「キャー、冷たいっ!」
「大丈夫?!亜紀。」
「うん、大丈夫。制服がちょっと濡れちゃった・・・」
「なんだよ!あんなにスピード出してんじゃねえよ!しかもなんでここ、
歩道つかねえんだよ!!危ねえな!」
前日の雨で坂の下に出来ていた水たまりの上を車は
走り去って行った。
亜紀は輝の自転車に手を添えたま、その水たまりを見た。その時、亜紀の歩く道路の
反対側に学校から帰って来る公平の姿を見つけた。
公平は坂の手前で曲がってどこかに行ってしまった。
・・・何処に行くんだろ・・・公平・・・
公平は子犬のいる公園へ向かっていた。




