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第四十話 亜紀の視線
キーンコーンカーンコーン♪
「亜紀!帰るぞ!」輝はクラスメートの目も気にせずに叫んだ。
「あ・・・う・・・うんっ!」
輝と亜紀は一緒に教室から出た。
公平のいるD組のクラスの前を通り過ぎようとしたとき、亜紀はふと教室で生徒に
何かを説明する雪を見た。公平は突然席を立ち雪の方へと歩いて行った。
3年D組――――
「じゃあ明日は短縮授業でお弁当もいりません。」雪はクラスの生徒に言った。
「よっしゃー!!おい!赤星、明日カラオケとか行く?」
「おう!行く行く!」
雪は一番前の生徒の机の下に消しゴムが落ちているのを見つけた。
・・・誰のかしら・・・
「真野!消しゴムが落ちてるわよ!」
「え?あ、昨日から探してたんだ。」そう言って公平は席を立ち雪の方へ消しゴムを
取りに行った。
亜紀はその場に立ち止まり、その様子を見て言った。
「だだ教師と生徒が普通にしているだけなのに・・・どうしてもだめ・・・
あの二人を見ているだけで・・・何か・・・身体から・・・怒り・・・
みたいなものががこみあげてくる・・・」
亜紀は震える唇をその手で抑えた。
「もう見るな!」輝は亜紀の目を自分の手で覆った。




