第三十七話 捨てられた犬
そして五日後―――
「おい!公平!」輝が公平を呼んだ。
「亜紀の事だけど。」輝が公平に近づき話してきた。
「あ、ああ。あいつどうしてる?僕、全然病院行ってないけど・・・
やっぱ行かない方がいいよな?」
「明日から来る。」
「え・・?学校に・・・?」
「ああ。」
「俺、朝迎えに行こうと思ってるから。」
「そっか・・・。」
「公平・・・」
「ん?」
「あいつの前で、あんまり荒井先生とイチャつくなよ。亜紀・・・
まだお前の事・・・好きみたいだからさ。」
「輝・・・」
放課後―――――
亜紀の気持ちが落ち着くまで・・・先生の周りはうろつかない方がいいよな・・・
とりあえず今日で最後にしよ・・・
公平はそんな事を考え、校門の外で雪を待っていた。
クゥーン・・・クゥーン
ん・・・?
公平は近くで子犬の鳴き声を聞いた。そして、その声のする方へと歩いて行った。
「なんだ・・・お前・・・捨てられたのか?」見つけた子犬は抱きあげると
公平の顔をペロペロと舐めだした。
「あはは・・・よせよ・・・なんだお前・・・人なつっこいな・・・」
しばらくして、雪が校門から出てきた。
雪は犬を抱きかかえて座る公平を見つけた。
「真野?」
「あ、先生。」
「どうしたの?その犬・・・」
「うん、なんかここに捨てられてるみたいなんだ。」
「そう・・・でも・・・どうするの?あなたの家はアパートでしょ。」
「うん。先生連れて帰ってよ。」
「あ・・・・そうしたいのは山々なんだけど・・・私も母も犬アレルギー
なのよね・・・」
「そうなの?でも、こいつこんなに可愛いよ。先生も抱いてみたら?」
子犬とじゃれ合う公平を雪は見ていた。
確かに可愛い・・・こいつが子犬を抱いているのもかなり絵になる・・・
「はいっ先生!」そう言って公平は雪に子犬を渡した。
「え・・・だめよ・・・困る・・・・ふぁ・・・ふぁ・・・はっくしょん!!
あーーーだめ・・・無理だわ。はい!返す。」
「えーじゃあどうすんの?!可愛そうだよこいつ。」
「・・・そうね、誰か飼ってくれそうな人探してみるから・・・」
「うん。」
「あなたの家に行く坂の手前を曲がった所に公園があったわよね。今日は
とりあえずそこに連れていきましょ。」
「あ、うん。あ・・・こいつお腹すいてないかな?」
「そうね・・・じゃあ先に行っててくれる?コンビニで何か買ってくるから。」
「うん。分かった。」




