第二十八話 道案内
「えーーと・・・この角を曲がって・・・なんて書いてるの?達筆すぎて
分からない・・・」
雪は次の日も家庭訪問だった。そして立ち止まって地図を見ていた。
誰かが雪の持っていた地図を後ろから奪い取った。
「え?」
「何、迷子になっちゃってんの?」そう言って地図を取ったのは公平だった。
「ちょっと・・・」雪は地図を取り返そうとした。
が、公平はそれを高く上げた。
「何やってんの?」公平は雪に聞いた。
「あ・・・はははちょっと方向音痴で・・・」
「そうなの?先生以外とどんくさいんだ・・・」
「そ、そんなことないわよ・・・ちょっと苦手なだけよ!」
「たか、何でアプリ使わないの?」
「丁寧に描いてくれる人ならアプリよりも解りやすいからよ。もう、返しなさい!」
公平は雪を見てふっと笑った。
「次誰なの?」公平は奪った地図を見た。
「なんだ・・・安田ん家?それなら僕知ってるよ!案内しようか?」
「え・・・ほんと!・・・・あ・・・い・・・いいわよ!自分で探すから!」
「遠慮しなくったっていいよ!僕どうせ暇だし。早く行かないと・・・
時間大丈夫なの?」
雪は腕時計を見た。
「げ・・・過ぎてる・・・」
「でしょ?連れてってあげるよ!」
「そ・・・そう?じゃあお願いしていい?」
「はいっ!」公平は笑って答えた。
公平は安田の家まで雪を連れて行った。
「はい!ここが安田ん家だよ!」
「あ、ありがと!」
「じゃあいってらっしゃい!」
「何よそれ?教師に向かって!」
公平はまた笑っていた。
しばらくして雪は安田明人の家庭訪問を終え、家から出てきた。
「先生!」
「真野!帰ってなかったの?」
「うん。だって・・・次もあるんでしょ!僕クラスの子の家ほとんど知ってるよ!」
「え・・・そうなの?」
「うん・・・まあ分かんない人もいるけど、先生と違って方向音痴じゃないし
地図みれば分かるよ!」
「そ、そう・・・」
「うん!だからついて行ってあげるよ!」
な・・・なんだこいつは・・・ストーカーか??でも道分かんないしな・・・この際
ストーカーでもいいか・・・
「どうしたの?先生なんか考え込んでる?」
「え?いえ・・・そうじゃなくって・・・じゃあ・・・悪いけど案内してもらえる?」
「いいよ!」




