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荒井雪   作者: うきみ
27/102

第二十七話 壁ドン

家庭訪問の日―――


≪ピーンポーン≫


雪は公平の家に続く坂を上がり、息を切らしながらインターホンを押した。


ガチャ


「あ、真野!」

「先生!」

「ほんとにこの坂・・・あなた達、よく毎日上がるわよね」

「そう?ぜんぜん大したことないけどっ。先生、いらっしゃい!」


いらっしゃいじゃないんだけどなっ・・・

雪は公平の部屋の玄関に入った。


「先生入って!」そう言って公平は雪を部屋に上がらせた。

「失礼します!」

「あ、母ちゃん買い物行っちゃって・・・すぐに帰って来るから座って待ってて!」

公平は静かに玄関のカギをかけた。

「あ、うん。」

「何か飲む?」

「あ・・・そういうのはダメな事になってるから。」

「え?でも・・・今日は僕が最後でしょ?」

「ええ。そうだけど・・・」

「ならいいじゃん。途中でトイレとか行きたくなるとかもうないんだし。」

「そう言われればそうね。じゃあ喉かわいてるしお茶もらっていい?」

「いいよ!」

公平は玄関の前に置いてある冷蔵庫からお茶を取り出し、雪に出した。

「はい!どうぞ!」

「あ・・・ありがと。」




しばらく沈黙が続いた。



「ねえ・・・お母さん遅くない?」雪は時計を見ながら言った。

「ああ・・・ホントだね・・・」


そしてまた沈黙が続いた。



公平の母親はなかなか帰って来なかった。



なんかおかしい・・・こいつ・・・わたしの事・・・好きって言ってたわよね・・・

この状況って・・・なんか・・・やばいような・・・この狭い空間の中に・・・

教師と生徒とは言え・・・男と女が二人っきり・・・?


「先生どうしたの?変な顔して・・・」流し台の前にいた公平は雪の顔を覗き込んだ。


突然雪は立ち上がった。


「あ・・・あのさあ・・・お母さん・・・お買い物手こずってるみたいだし・・・

 家庭訪問はまた今度にして・・・あ、明日また来る!」

そう言って雪はドアの方を向いた。


玄関の前にある冷蔵庫に雪が手をかけようとした時・・・


バンッ!!!


公平は冷蔵庫のドアに右手をおき、雪は玄関までの行く手をはばまれた。

雪は公平を見た。


「な・・・何?」

「先生・・・この前僕の話ちゃんと聞いてた?」


「話・・・?」


「先生が好きだっていう・・・」


「き・・・聞いてたわよ・・・ちゃんと・・・」


「だったら・・・」


雪は近づいてくる公平から逃げるように背中を冷蔵庫につけた。



何・・・何なの・・・この状況は・・・もしかして・・・これが・・・少し前にドラマとかで流行った

壁・・・なんとやら・・・?後ろは壁じゃなくて・・・冷蔵庫だけど・・・


ゆっくりと公平の顔が雪に近づいてきた。


え・・・何・・・もしかして・・・キスされる・・・?

ボスッ!!!





「痛ってーーー!!!」



雪は公平のみぞおちに一撃を食らわせた。

公平はその場に沈み込んだ。


「先生!ひどいよ!今キスしようと思って、思い切り息吸ってたのに・・・!っっ!」

「何言ってんの!茶帯をなめんな!」


危ない危ない・・・教師を始めてうん十年・・・じゃない・・・うん数年か・・・

こんなのに教師生命奪われてたまるか・・・


「もう!お母さんなんて来ないんでしょ!家は見せてもらったから電話で話すって

 言っといて!」雪は怒って部屋を出ようとした・・・が・・・鍵がかかっていた。

雪は公平をにらんで出て行った。


「あーーーーちくしょーーーー!!!あーーーいてて・・・」




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