第二十六話 チャンス
次の日――――
公平は亜紀の事が気になり、いつもより朝早く学校に着いた。
「おい!輝!昨日亜紀・・・どうだった?」
「ああ!思ったより元気だったよ!」
「そっか・・・」
「それとさ、俺、ついでに告白しといたから。」
「え・・・?告白・・・?」
「俺さ・・・好きなんだ・・・亜紀の事。」
「うそだろ・・・?」
「いや・・・まじで。」
「ぜんっぜん分かんなかった・・・。」
「ま、お前は自分の事で頭いっぱいだからな。」
「うん・・・否定はしない・・・。」
「なあ・・・公平・・・亜紀の事は俺に任せてさ・・・好きなんだろ?先生の事。」
「あ・・・。」
「こんな事いっちゃ神様のバチが当たるかもだけど、チャンスなんだよね・・・俺。」
「チャンス?」
「ああ、女って弱ってるときに優しくされると相手に好意を抱くってもんだろ?」
「あ・・・まあ・・・確かに・・・」
「亜紀にはお前の代わりに俺がついててやるから心配すんなって!」そう言って輝は
公平の肩を思い切り叩いた。
「輝・・・。」公平は少し肩の荷がおりたような気がした。
そのまま春休みへと突入し、新学期が始まった。
亜紀と輝は3年B組 公平はD組になり、雪は去年と同様公平の担任となった。
キーンコーンカーンコーン♪
「それじゃあ家庭訪問の用紙・・・必ず親御さんに見せて予定を書いてもらうこと!」
雪は教室を出ようとした。
「先生!」公平が雪を呼んだ。
「あ、真野・・・昨日病院行ってくれたの?」
「うん。でもダメだった。入らせてもらえなくて・・・」
「そう・・・」
「でも・・・その代わり輝が・・・」
「伊藤が?」
「うん・・・俺に任せとけって・・・」
「彼がそう言ったの?」
「うん。」
「そう・・・わかった。伊藤には後で話聞いとくから。あなたは少し疲れてるん
じゃない?今日は早く帰って休んだら?」
「あ・・・うん・・・そうする。あ・・・それと家庭訪問・・・火曜日のラスト
の時間なら母ちゃん家にいるよ!」
「そう・・・。じゃあその枠にあなたを入れておくわね。」
「うん。じゃあ先生!また明日。」
「ええ!さよならっ!また明日!」




