第二十話 亜紀の涙
公平は亜紀の家の中に入り亜紀の母親と二階へ上がった。
「亜紀!公平くん来てくれたわよ!」母親は亜紀の部屋のドアに向かってそう
言った。
「公平・・・?!先生は来てない・・・よね?」ドアの向こうの亜紀が聞いた。
「うん。僕だけだよ。」
ガチャ
亜紀は部屋のドアを開けた。
「亜紀?大丈夫?具合・・・悪いの?」公平は部屋に入りながら言った。
亜紀はベッドの前に座ったが何も言わなかった。
「亜紀?学校休んでる理由って・・・もしかしてこの間の事?」公平は亜紀のそばに
近づいて言った。
「公平・・・私・・・耐えられないのよ。毎日毎日公平が先生とイチャついてるのを
見るの。もう見てられない!あの人があの学校にいる限り私、学校になんて
行けない!」
亜紀は涙を流しながら叫んだ。
「亜紀・・・ごめん。」
「どうして・・・?あの人のどこがそんなにいいの?」
「どうしてなんて・・・そんなの分からないよ。亜紀だって僕の事をそんなに好きで
いてくれるなら、分かるだろ?初めてなんだ・・・こんなに人を好きになったの・・・」
「分かんないよ!公平・・・私ずっと公平の事好きだったのに・・・」
亜紀は大粒の涙を流しながら公平の胸を叩いた。
「亜紀・・・ごめん。」
公平は亜紀の肩に手を置いて言った。
「ごめん・・・亜紀・・・」
そう言いながら公平は亜紀を抱きしめた。
亜紀は公平の腕の中でしばらく泣いていた。




