第十五話 欠席
「では!昨日のノート返すわね!はい赤星!」
「池本!」
「伊藤!さすがね!素晴らしいノートだわ。」雪は笑顔で輝にノートを返した。
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「真野!」
「・・・・」
「真野?!あれ・・・?真野は欠席?」
「そーでーす!高熱出して家で寝てまーっす!」輝は大声で言った。
「あ・・・そう・・・」
え・・・?まさか・・・昨日の雨・・・?あーーやっぱり断ればよかったかなあ・・・・
確か・・・真野の家って・・・ご両親あんまり家にいないって言ってたけど・・・
大丈夫なのかな・・・
雪は自分のせいで風邪をこじらせてしまったのではと心配になった。
公平の家は少し古びたアパートの二階だった。
そしてその階段をスーパーの袋を持ち上がって来たのは、
亜紀だった。
ピンポーン
亜紀は真野と書いてある表札の下のインターホンを押した。
ガチャ
「あ・・・亜紀・・・ゴホッ!」パジャマを着た公平がドアを開けた。
「公平大丈夫?!なんか高熱出してるって聞いたから・・・今日もお母さん
遅いんでしょ。」
「あ・・・いや・・・夜には帰って来るから大丈夫だよ。」
「そう・・でもそれまでお腹すくんじゃない?朝から何も食べてないんじゃあないの?
せっかく食材買ってきたし・・・雑炊かなにか作らせて。」
「いや・・・いいよ・・・亜紀に風邪がうつると悪いし。」
「でも・・・」
「ありがと。亜紀。じゃあそれだけもらっとくよ。」そう言って公平は亜紀の持っていた
袋を取り中を見た。
「明日は学校行くからさ。ほんとにありがと、亜紀。」
「あ・・・うん・・・ちゃんと何か食べてよ!」
「うん。じゃあね。」公平は少し強引にドアを閉めた。
ガチャ
公平・・・
亜紀はゆっくりと階段を降りて行った。ふと見ると公平のアパートへ続く坂の下を
歩いてこちらに向かってくる雪の姿があった。
亜紀は慌ててアパートの影に隠れた。




