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第十三話 帰り道
公平と亜紀は並んで歩き、亜紀の家に着いた。
「じゃあ亜紀・・・」公平は自分の腕を掴んでいた亜紀の手を離そうとした。
「ねえ公平。」
「ん?」
「もうやめたら?」亜紀はうつむいたまま言った。
「何を?」
「先生の事。」
「先生の事?」
「・・・・今日でもずっと先生と職員室にいたりだとか・・・
この間だって一緒に二人でラーメン食べてたり・・・」
「え・・・?何で知ってるの?」
公平は少し驚いて亜紀を見た。
「・・・・」亜紀はうつむいたままだった。
「亜紀?」
「だって・・・ずっと見てたから・・・公平のこと・・・」
「・・・じゃあもしかしてさっきもずっと近くにいたって事・・・?」
「わたし・・・公平のこと(が)・・・」
「亜紀。僕は先生の事が好きなんだ。」公平が言った。
「なんで?!どうしてよ!!あんなのただのおばさんじゃない!!
私でいいじゃない!!!私は公平が好きなの!」
「・・・亜紀・・・先生の事・・・悪く言わないで。」
「だっ・・・(て)!」亜紀の目には涙があふれていた。
「ごめん。・・・亜紀の気持ちには・・・悪いけど答えられないよ。」
「もう!公平のばかあ!!!」亜紀は泣きながら家に入って行った。
閉められたドアを見て、公平は小さく言った。
「亜紀・・・ごめん。」




