第十一話 茶帯
公平と雪は校門を出た。
「せんせーお腹空いた。」
「うん。そうね・・・確かに。」
「ラーメン行こ!」
「もう今日は遅いからだめ。それに炭水化物ばかり取ってても体に悪いでしょ。
今日は・・・」
雪は通りの角を曲がった。
「あっ、ここ、ここっ」雪はその店に入って行った。
「え?お惣菜 そうざい?」
「ええそう。もう少しバランスのいいもの食べた方がいいわよ。」
そう言って雪は買った惣菜を公平に渡した。
「よしっ!じゃあ帰ろう。」
雪は速足で店を出た。
「あ・・・待ってよ荒井雪さん!」
「だから・・・教師をフルネームで・・・・」
「キャーーーー!!」
二人は女性の悲鳴を聞いて後ろを振り返った。
「え・・・何?・・・あれって・・・・うちの学校の制服じゃない?」
見ると、何やら数人の男達にからまれている様子だった。
「亜・・・紀・・・?」公平は驚いた。
「え?小宮さん・・・?」
二人は亜紀のほうへ駆 かけ寄った。
「ちょっと!!うちの生徒に何してんの!」雪が男たちに怒鳴った。
「何?誰だよ!あんたは関係ないだろ?!俺達はこのお嬢ちゃんに用事があるの!」
雪は亜紀の腕を掴んでいる男たちの手を振り払い亜紀を連れて行こうとした。
「おい!邪魔すんな!」そう言って男は雪の髪の毛を掴 つかもうとした。
が・・・雪はそれを振り払った。そして・・・
『ボスッ!!』
雪の一撃が男のみぞおちに入った。
「うっっ!!」
「行くわよ!小宮さん!」雪はそう言って亜紀を連れて行こうとした。
「おい!待て!」
「何なの?まだやるの?!」
雪は掴みかかってきた男をかわし、公平の方へ亜紀の背中を押した。
そして男に上段回し蹴りを食らわした。
亜紀はその様子を見ながら公平の腕を掴んでいた。
あっという間に男達を倒し、雪は二人の方へ戻って来た。
「すごい!せんせー強えー!!」公平は驚いた様子で言った。
「ええ。護身用に空手をね。」
「へー何帯?」
「茶帯の1級!」
≪パチパチパチ≫
公平は手を叩いた。
「さすが・・・!」公平は笑顔で言った。
「・・・っていうか小宮さんどうしてまだ制服でこんなところをうろついて
いたの?」
「あ・・・ちょっと用事で・・・」
≪ぐうーっ・・・≫
雪のお腹が鳴った。
「さすがにお腹が減ったわね。」雪が言った。
「やっぱいこ!これ明日の朝に食べるからさ。」公平は雪に買ってもらった惣菜を
見ながら言った。
「じゃあ3人で食べるかっ!」雪は笑顔で二人に言った。
女の子もいるんだし・・・3人なら問題ないか・・・
そして3人は例のラーメン屋へと向かった。




