最終話
「卒業生の皆さん、卒業おめでとう・・・」
公平は卒業式を迎えた。
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「以上をもちまして、はなむけの言葉といたします」
卒業式が終わり公平は、雪の帰りを校門の前で待っていた。
そして、雪が学校から出てきた。
「荒井雪さん!」公平は雪を呼んだ。
「教師をフルネームで呼ぶな!」雪は微笑んだ。
「だって、もう卒業したから先生じゃないもん」
「違うわよ!3月ENDまではあなたはまだ高校生なの」
「そうなの?」
「ええ」
「でもそんな細かい事どうでもいいじゃん。一緒に帰ろうよ」
雪は公平に笑顔を返した。
≪グー≫
公平のお腹が鳴った。
「お腹空いたの?」
「うん。空いた。」
「じゃあ行く?久しぶりに。おじさん元気かな」
「うん!行く!」
ガラッ
雪はあの黄色い暖簾のかかったその戸を開けた。
「お!雪ちゃん久しぶり!!」
「うん!おじさん調子は?」
「ああ。まあぼちぼち。ラーメン2つでいいかい?」
「うん!」
「はいお待ち!チャーシューおまけね」
「ありがとう!おじさん」
「ごちそうさまでした!」
「はいよー!」
「じゃあおじさんまたね!」
「ああ!また彼と一緒に食べに来てくれよっ!」
「あ・・・ええ!勿論!!」
そして二人は店を出た。
「あー美味しかったね!先生!!」
「ええ。そうね」
「真野・・・」
「何?先生。」
「これからどうするの?あなた就職先も何も決まってないわよね」
「うん。とりあえずバイト。それから先の事はゆっくり考えたいんだ。
学校に戻ってから、勉強とか忙しくてあまりそういう事考える
時間がなかったし。それに先生にもあいつの埋葬代早く返さなきゃ」
「もういいわよ。そんなの」
「だめだよ」
「じゃあちゃんと就職したらそのお金で返して」
「わかった」
「あのね真野・・・・」
「何?」
「私のお母さん・・・今度結婚するのよ」
「うそ・・・ほんとに?」
「ええ。」
「一緒にお祝いしたいな。あ・・・でも・・・僕のこと・・・知らないか」
「あ、そういえばそうね」
「じゃあ、生徒がおめでとうって言ってたって言っといてね!」
「ええ。それでね真野・・・」
「ん?」
「お母さん、あの家で新しいお父さんと暮らすんだけど、別に私は
嫌じゃないんだけど、なんか居ずらいっていうか・・・あの家を
出ようかなって思ってて・・・」
「そうなんだ」
「それで・・・もしよかったら・・・」
「ん?」
「私と一緒に住まない?」
「え・・・?ほんとに?」
雪はうなずいた。
公平は雪のそばにへと近づいた。
そして――――
雪を抱きしめて言った。
「いいの?僕たくさんわがまま言うけど」
「ええ。いいわよ」
「毎日キスしちゃうかも」
「もうまずいご飯食べなくていいから、それは許す」
「じゃあ一緒に住んであげる。その代わりお願いがあるんだけど」
「何?」
「もう、卒業したんだし、真野って呼ぶのやめて公平って呼んでよ」
「じゃあ私も・・・もう先生じゃないのよ」
「そうだね」
「公・・・平・・・」
「雪・・・」
「あ・・・あれ・・・」公平が空を見上げた。
「雨降って来た・・・」雪が言った。
「大丈夫だよ。僕折り畳み持ってるから・・・」
そう言って公平はカバンの中から折り畳み傘を出した。
「え・・・これ・・・私の傘・・・」
雪は自分の花柄の傘が公平のカバンから出てきた事に驚いた。
「まさか盗んだの?」
「うん。先生と相合傘したかったから」
「そう」
「うん」
「私・・・あの時・・・あなたが傘を広げて私の所に来た時・・・もう既にあなたの事
好きだったのかもしれない・・・」
「そうなの?」
「うん。多分・・・」
「じゃあ先生・・・じゃない・・・雪・・・嘘つきだね・・・」
「どうして?」
「だって僕の事ただの生徒だからって言ってたじゃん」
「そっか。そう、嘘・・・ついてた・・・」
二人はそのまま再び抱き合い、そして――――
キスをした。
fin




