11.
赤い血と、匂いと
倒れるキィーリスを抱きとめると、ぬるりとした感触がして…。
なぜ、どうして。
ゆっくりと膝まづいて、視線が一瞬宙に浮く、
固まって動かないディルギ。
さらにその後ろに、
立とうとしたのか、椅子の足元に崩れ落ちたアイリエヌが蒼白な顔で
エディーガに抱き込まれたキィーリスを凝視している。
我に返りエディーガは、キィーリスに刺さった剣の柄に手をかける
「…っ!エディーガっ、ぬいては、なりません!医師をっ」
ディルギが我に返ったかのように叫ぶと駆けだした。
「キィーリス、お前なぜ」
キィーリスが僅かに瞼を震わせ、瞳を覗かせる
「殿下…。申し、訳……ありま、せん」
呼吸がおかしい
エディーガは眉をひそめ、溢れる血を止めるように、布を押しつける。
「あね、うえ……。」
吐息のような、その声に
「キィーリスっ!」
泣き声のアイリエヌが返事をする
僅かに顔を動かし、視界に姉を入れると安心したように口元が緩む。
「キィーリス、ごめんなさい。ごめんなさい、キィーリス。
わたくしが、情けないから。お願い、死んでは駄目よ」
縋るような言葉と、瞳。
あぁ、取り戻せた……。
どうせなら、姉上の笑顔が見たかったっと思いながら、キィーリスは目を閉じた。
エディーガが怒ったように名を呼ぶのと
アイリエヌの、泣き声が聞こえる。
声になったか、ならなかったか。
キィーリスの口元が動く
『殿下、申し訳ありません……』
……、お久しぶりです。前話を見て固まりました。
続きをどうしたかったんだろう。記憶に残っておりません。
とりあえず、続き考えながら書いてみました。結論出ず、短いまま投稿。