第36話:依頼の旅【中編Ⅰ】
「な、なんという事だ」
ヒュユクの長にして獣王であるチャタルさんは驚愕の声を零す。
それもそのはず、この世界には存在しないだろうものだからだ。
それが遊園地だ。
俺が書いた設計図を広げてみているチャタルさん。
「で、でも、こんなもの作れるのですか?」
「大丈夫です。鉱山資源はイルーヴァタールに頼んでいますし。木材ならここ周辺の木と、アルフに頼んでいます。それらを俺の魔法で組み立てるのみなので3日以内でできると思います」
チャタルさんの心配は簡単に説明しただけで解消された。
「一つ聞きたいんですか?この村は牛が特産なんですよね?」
「ん?ああ、肉なら多少、消費量が増えても大丈夫だぞ」
チャタルさんは胸を張って言っているのだが、俺が知りたいの肉ではなく、
「その牛から乳を取ってくれませんか?大量に」
「ああ、牛乳ならあるが人気はないぞ」
牛乳があるならあとは作るのみ。
「では、まずその牛乳を使ってチャタルさんに試食したいものがあります。牛乳を用意してくれますか?」
チャタルさんは不思議そうに牛乳を用意してくれた。
俺はそれを持ってとある場所にチャタルさんと一緒に向かった。
その場所は俺が今泊まってる宿屋の裏庭。そこには俺が昨夜徹夜で作った、全自動ソフトクリームマシーンだ。
「何ですかこれ・・・・・・」
チャタルさんは驚きを隠せていない様子だが、俺は気にせず牛乳を機械の端にある投入口に注ぐ。
そして、一つしかないボタンを押すと機会が動き始める。
「う、動いたぞ」
チャタルさんの傍付きが武器を抜こうとする。
「ああ、危険はありませんから。次行きましょう」
ソフトクリームメーカーから離れて、その近くにある小屋に入る。
「こんな場所あったか?」
「いえ、ありませんでした」
チャタルさんと傍付きが小屋に入りながらそんな会話をする。
その小屋の中には、ソフトクリームマシーンと似たような機械があった。
「見ていてください」
俺は近くに有った、30cmほどの長さの丸太を投入口に入れてこれもまた一つしかないボタンを押すと、機械が起動して丸太が吸い込まれる。
そして数十秒後に、さっき入れた丸太が形を変えて出てきた。
「これは見事な皿だ」
出てきたいのは皿。本当は紙パックにしたかったのだが、それだと機械がさらに大きくなってしまう。
「この機械で先ほどの丸太だと、30枚作ることが出来ます」
「す、すごい」
チャタルさんは驚きの声を漏らしているが驚くのまだ早い。
「そして、皿として使われなかった木材はこうやって、スプーンとして出てきます」
おお、と感激の声が聞こえてくる。
だがだが、まだ驚くのは速い
「そろそろ完成したかな」
俺とチャタルさん、傍付きさんはさっき作った皿とスプーンを持ってソフトクリームマシーンの元へ戻る。
ちなみに、ロビンとクリハの分の皿も持っている。
ソフトクリームマシーンはまだ動いているが気にせず俺はもう一つの投入口に皿を入れる。
すると、チーンと言うオーブンのような音を立てててさらにソフトクリームが載って出てきた。
「同じようにやってみてください」
チャタルさんは恐る恐る皿を入れる。
皿は流れるように吸い込まれ、出口からソフトクリームを乗せて出てきた。
傍付きさんも同じように皿を入れる。
「食べてみてください」
チャタルさんと傍付きさんは恐る恐るソフトクリームを口に含んだ。




