表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/44

第3話:旅の準備

暗い・・・寒い。いや何も感じない。


どうやら死んだみたいだ。死ぬのって案外あっさりしているな。違うか・・・。


不意に死ぬ直前の光景が浮かぶ。

轟轟しく揺れる飛行機。緊急事態なのはすぐに理解した。他の乗客の悲鳴が聞こえる。


酸素が薄く感じた。しかし酸素が薄い山には沢山上ってきた俺には大したことではなかった。


そんな冷静な自分に驚く。


その数秒後、巨大な爆発音とともに意識は途絶えた。


やはり俺は死んだようだ。しかし死んだにしてもいろいろと変だ。そもそも、そう思えている時点でおかしい。


真っ暗な場所から光が差し込んだ。


「目が覚めたか」

長く白い顎髭が特徴の老人が目の前にいた。


誰だろうか。


「わしは創造神アトゥムじゃよ」


あ、頭がやばい爺さんだった。


「誰が頭がやばいじゃ!」


爺さんはそう叫ぶ。すると爺さんの左右にもう二人いる事に気が付いた。


というかここ、どこだ?


「ここは天界じゃ」


俺、喋ってないよな・・・。


「そりゃあ、神じゃから、思ったことくらい読み取れるわ」


なんでもありだな、神ってのは・・・。


「さて、話を進めてもいいかの?」


おお、この展開どっかで見たことあるぞ。


「単刀直入に言おう。君にわしの世界に転生してほしいのだ」


おお、思った通りだ。このあと俺は神からチート級の武器やスキルをもらえるやつだな。


「悪いが武器やスキルはないんじゃよ」


爺さんは申し訳なさそうに言った。


なんてこった。

俺、転生後どうなるの?すぐ死んじゃう系?いやいやそれはごめんだ。


「もちろん、私たちが出来る範囲はするが、スキルや魔法は自力で獲得してもらう事になるのじゃ」


「魔法があるのか⁉」


嬉しさのあまりに神の前で初めて声を発した。いや声が出ることに初めて気が付いた。


「もちろんじゃ」


しかし魔法があろうが、俺は勇者とかになりたいわけじゃないし、学生になるにも、勉強は面倒だし、どうしようか・・・。


俺の未練と言えば、世界一周できなかった事か・・・。よし!


「俺、その世界を一周したいです」


爺さんはニヤリと怪しい笑みを浮かべてから言った。


「よかろう」


「私たちの世界は危険が多いけど、加護があれば何とかなると思うわ」


初めて爺さんの隣の女性が喋った。


「ちなみに私は死霊神アヌビス、死神みたいなのもね。君をここまで運んだのは私よ」


見かけによらない神様だった。もう会う事はないだろうけど怒らせないようにしよう。


「おいらは魔法神イシスだよ。他にも神は沢山いるから今度会ったら紹介するよ」


また会う事が確定してしまった。

しかし神様たちは優しい笑みを浮かべていた。なんか暖かいな。ばあちゃんがいるみたいだ。


俺の体が光に包まれ始めた。


「そろそろ時間じゃの」


「しばしの別れね」


「異世界一周がんばってね」


三人の神が手を振る。


ばあちゃんにも振られている気分だった。だけどばあちゃんの声が聞こえた。

俺はそれに応えるように言った


「はい、行ってきます」


神たちが詠唱を始めた。


『神神が謡う。我の命に従い、我世界に宿り、そこに芽を咲かせたまえ。今、星を降る夜に』


この日、異世界では100年に一度の流星群が起こった。

それが俺が異世界に転生した証拠であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ