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「疲れは疲れです、異論は認めません」

「ふあぁぁ~」

「眠そうですね」

「えぇまぁそれもそうなのですが」

「ほかにも理由が?」

「月曜って憂鬱なのでもう少し寝ていたいがループして」

「そうですか」

「聞いておいてその塩対応」

「ホットケーキメーカーはそこに」

「そして既に準備の準備が」

「でもまぁその気持ちも分かります」

「えっと月曜の話ですか?」

「はい」

「神様にも月曜とかってあるんですね」

「月曜はありませんが日曜もありません」

「おっと」

「風邪も病気も無いので毎日が月曜日です」

「地獄ですかね」

「いえ天国ですよ?」

「そうではなく」

「まぁ休みたいときには休めるのですが」

「それ大丈夫なのですか?」

「転生者は待合室行きですね」

「まぁ少しくらいなら」

「つい三万年ほど忘年会をしてしまったり」

「神様感覚でした」

「休み明けは苦情の嵐です」

「何も無い空間で三万年ですからね」

「でもまぁ転生前ですから」

「急ぎの人もいないでしょうし」

「えぇ、妻の後を追ってきた夫が待ってるくらいです」

「待たせちゃダメな人がいました」

「ですが待合室で別の相手を見つけていまして」

「おっと」

「そこへ現れる元妻」

「記憶は無いのですよね?」

「はい」

「それなら安心」

「ただ本能で何かを感じたらしく」

「出来なかった」

「手に持ったサーベルを振り上げます」

「女の勘ですかね。そしてハイファンタジー」

「その後は逃げ回る夫と追う元妻、そしてその妹と三すくみが出来上がり」

「間女が妹だった」

「まぁそんな感じで収拾つかなくなりまして」

「そこを女神様が取り成したと」

「面倒になったのでまとめて転生させました」

「なんとなく読めていました」

「全員女として」

「そこは読めなかった」

「上手いこと原因を取り除けました」

「盗まれたくない宝は爆破すればいい理論」

「他にも七十億人くらい居ましたが」

「世界が一つ作れそう」

「面倒なので億人単位で転生させました」

「生態系を何とも思ってない所業」

「これにて一件落着と」

「なんて強引な」

「まぁでも浮気はいけませんからね」

「俺は女神様一筋ですからご安心を」

「それでホットケーキは?」

「安定のスルーですね。それでは朝食にしましょうか」


◇◆◇


「今日は仕事ですか」

「はい」

「いってらっしゃい」

「・・・・・」

「どうかしましたか?」

「なんだか夫婦みたいだなと」

「さっさと行きなさい」

「おっと、謎の光が体を包んでいく」

「一分以内に外に出ないとトイレットペーパーにしか転生できなくなる奇跡を与えました」

「それは呪いというのでは?」

「神の与えるものなので奇跡です、つまり私がルールです」

「なんてこった。では行ってきます」

ガチャ

バタン

「ようやく行きましたか」

ガチャ

「ただいまです」

「おかえりなさい。忘れ物でしょうか?」

「そこはお風呂にする? ご飯にする? そ・れ・と・もーーな展開では?」

「お黙りなさい」

「おっと、また体が発光しだした」

「またくだらない冗談を言ったら、その度にあなたの大事なものが一つずつ爆発する奇跡をかけました」

「なんて奇跡(呪い)だ。でもそれだと一番に爆発するのは女神様になりますよ?」

「それなら心配いりません」

「さりげないプロポーズを流された」

「爆発は私の手で直接行います」

「奇跡(呪い(物理))ですか」

「物理ではなく魔法です」

「そういう意味ではないです。そしてもう奇跡ですらない」

「それでなぜすぐに戻ってきたのでしょうか?」

「在宅ワークですから」

「そうでした、ならなぜ一旦外に」

「人に究極の呪いをかけた人の言葉とは思えないですね」

「女神ですから」

「というわけで、これからゲームの続きです」

「それは違うでしょう」

「ようやく女神様似のキャラの好感度が上がってきたのです」

「部屋にあるゲーム機なら爆破しました」

「しまった」

「それで仕事は?」

「秘密結社って正直やること無くて」

「無い事は無いでしょう」

「やるとしてもせいぜい」

「せいぜい?」

「・・・いえ何でもないです」

「おっと」

「ところで女神様はゲームとかするのですか?」

「露骨に誤魔化しにきた。まぁモバイルなら少し」

「意外ですね、となるとスマホも持ってるわけですよね?」

「MPhone11Sを使っています」

「微妙に知らないやつだ」

「女神の間で流行しているモデルですね」

「神界で流行りの物でしたか」

「RAMが32GB、CPUは4.2GHzで8コア16スレッドです」

「デスクトップPCですかね」

「7Gという謎技術で未知の通信を可能に」

「なんか凄そう」

「神界のどこに居てもデータ通信が使える技術です」

「"ニッポン"では?」

「ただの板ですね」

「おっと」

「まぁ女神パワーでごにょごにょしてWi-Fi使えるようにしてるので大丈夫です」

「さすが女神様」

「性能も上げようと思えば物理法則無視してスパコンを手のひらサイズに出来ます」

「さすが女神様」

「そもそも念じるだけで大体の事はできます」

「ではそのスマホは」

「ただの板でも問題ありません」

「持ち歩く意味は」

「ファッションですね。なんとなく出来る雰囲気を出せます」


◇◆◇


「ところで女神様は今日何を?」

「特に予定はないので、これから考えるところです」

「では行きたいところとかは?」

「温泉とか行きたいですね、日頃の疲れを癒したいです」

「日頃の疲れとは」

「疲れは疲れです、異論は認めません」

「すごい暴論」

「世界を管理し信託を出し勇者を導いて」

「たしかにそれは大変そうですね」

「送り込んだ勇者が謀反を起こし世界を支配し魔王が誕生」

「一体何が」

「前魔王を従え世界最強の竜に乗った彼は改革を始めます」

「ごくり」

「まずは始まりの村を自身の拠点にします」

「初戦が最終決戦」

「我々の送り込む勇者を取り込む目的があったようです」

「でもそれなら送り込む先を変えればよかったのでは?」

「残念ながらそれはできませんでした」

「あー、神様ルールとかですかね」

「いえ、旧式のワープポータルしかなかったのです」

「それは救う世界が多すぎてとかそんな理由が」

「ポイントが足りなかったのです。あの時ほど課金を後悔した事はありませんでした」

「唯我独尊の自業自得だった」

「ですが送り込んだものたちも世界のためにと奮闘します」

「健気すぎて泣けてきます」

「私も息をのみ震える指でガチャを回します」

「まったく懲りてないじゃないですか」

「その頃、魔王は彼らに告げます。“あの女神お前らの装備代もガチャに注ぎ込んでたよ”と」

「まったく懲りてないどころじゃなかった」

「ですが勇者達も清く美しい女神を信じて抵抗します」

「清く・・・・うーん・・・」

「“確かに剣も盾も木製で防具に至っては古い布とか使われてたけど、まさか女神様が”と私の潔白を訴えたのです」

「証拠能力が限りなく無に近いゼロ」

「ならばと魔王は近場の店を指して話し合いを提案します」

「意外と穏便ですね」

「いくら魔王といえど勇者複数人相手は分が悪かったのでしょう」

「装備は駆け出し冒険者未満ですが」

「そして話し合いの後とうとう勇者達が私を裏切ります」

「裏切り・・・・うーん・・・」

「勇者達の隣にはそれぞれ胸の大きく美人なサキュバスが並んでいましたが些細なことです」

「話し合い関係ない疑惑が」

「そんなことはありません。清い私が選んだ者達です」

「そうでしょうか」

「勇者達が何故かスッキリした顔で鼻の下を伸ばしていましたが、そんなことは関係ないでしょう」

「間違いなく関係ありますね」

「残念なことです。魔王の偽装した証拠があまりにも精巧だったのでしょう」

「いえ女神様がスタイル負けした疑惑が」

「くっ魔王にあそこまでの偽装が出来るとは」

「完全に負けてましたね」

「ではいつもお世話になってるあなたに奇跡でも授けようと」

「わー魔王の偽装すごいなー、女神様ったらスタイル抜群なんだもの」

「そうでしょうそうでしょう」

「それで、それからどうしたのでしょうか?」

「全ての元凶はこの世を創りたもうた創造神にあり、とのお告げを流し一件落着」

「してないですね、酷いとばっちりを見た」

「私は無理矢理従わされているがあなた達の味方だと」

「完全に黒幕ですよね」

「世界の命運はあなた達にかかっていると」

「不安を煽り希望で釣り上げる洗脳の常套手段が出てきた」

「そのためには信仰を創造神から女神に移す必要があると」

「さらっと信仰心の略奪が」

「そうして共通に敵を得た勇者と魔王と世界各国が和平を結び平和な時代が訪れます」

「最大にして最難の敵が残ってますが」

「こんなにめでたしな展開なのに創造神には怒られましたね」

「むしろなぜ怒られないと思ったのか」

「ついでに友神にも怒られました」

「美の神様でしたか、それにしても何故」

「彼女は事あるごとに私のお姉さんぶるので」

「女神様相手だとなんとなく分かります」

「それは私が子供っぽいと?」

「落ち着いて女神様、その手に持ってる歯ブラシは一体」

「私のスタイルが子供っぽいと?」

「にじり寄ってくる。そこまで言ってないですよ落ち着いて」


◇◆◇


「まさか歯ブラシにあんな使い方があるなんて」

「達人は筆を選びませんから」

「間違ってはないけど間違ってる悪いけど良い例ですね」

「まぁそういう訳なので疲れが溜まっているのです」

「今の話だと周りが苦労してるイメージしか湧かない」

「そして今こちらに向かってる魔王と勇者が先程の話の彼らです」

「そういえば言ってましたね、異世界の勇者と魔王が探してると」

「バレちゃいました、テヘッ」

「可愛いけど初めて女神様をぶん殴りたくなりました」

「というわけで次回は温泉に連れて行ってください」

「構いませんけど次回とは?」

「次回は次回です。それでは次回に続きます」

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