溢れる気持ち〜恋愛詩集〜
泣きたいなら泣けばいい
「嵐」
泣きたいなら
泣けばいい
心に溜めた水蒸気は
雲に吸い取られ
暗雲へと変わる
積乱雲へと大きく
変わり
嵐がきっと来る
嵐は怖いぞ
そうなる前に
泣いてしまえ
「晴れ晴れ」
この波へとさらわれようか?
貝殻たちと一緒に
この想いも
海に還ろうか?
もう淡い期待も持たぬように
いつしか
海の青が空の青へと
移り変わり
晴れ晴れしい気持ちで
歩いていけますように
「月明り」
月明りが照らす
ゆらゆらゆら
月への船へと乗り込む
星空を漂い 心がゆらゆら
星屑に手を伸ばす
本当に手にしたいのは
その月明り
届かなくて
何度船から落ちても
この気持ちは溶けない
星屑の様に広がっていく
ゆらゆらゆら
いつかあなたを照らす
明かりとなりたい
「抱きしめて」
嫉妬 妬み
孤独 絶望…
歪んだ感情が膨れあがって
今にも蓋から溢れそう
もっと幸せで
澄んでいると思っていたのに…
なぜ苦しいの?
なぜ黒い雨が降るの?
その雨が溢れ出ないように
あなたが蓋を押さえて
私を抱きしめて
今すぐ
今すぐ…
「道の先」
私の道に誰かが通せんぼした
「好き」
そう呟いて手を握った
その瞬間に 私の道には
花が咲き乱れた
色鮮やかできれい
どんな道が
この先に待っていようが
二人ならきっと
超えていける
ずっと離さないで
ずっと「好き」だよ