トリーチャーコリンズ症候群に生まれるとどうなるのか?
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登場人物
美波:トリーチャーコリンズ症候群で生まれた主人公、性格は明るい
男子:いじめっ子の男子、小学校の時のクラスメート
特別支援学校教師(田中):美波が難聴のため進学した高等部のある学校の教師で、田中先生という男性、優しく活発。
進藤:スカウトマンの男、街中で美波に声をかける
N_美波:美波ナレーション
T:テロップ
N_美波:私の名前は美波、今は小学校の3年生だ。私は、他の人と大きく違うところがある。そう、私の顔の骨はほとんどないトリーチャーコリンズ症候群という障害で生まれてきた。
男子「ようオバケ〜今日もマスクしてんのか?ぎゃははww」
美波「やめてよ!返して!」
マスクを奪い取られて、私は泣きそうになってしまった。すると男子はもっと調子に乗っていた。
男子「返して欲しかったら土下座しろ〜!マジで気持ち悪いww」
美波「う、ウワアアン」
N_美波:私は大泣きしてしまい、いじめた男子は先生に叱られていた。だが、そんなことでいじめは止まらなかったのだ。
美波「もう学校なんて嫌!」
N_美波:そんな私もあっという間に中学生になり、新しくできた友達とコイバナなどをしていた。私はいつか顔が綺麗になったら彼氏が欲しいと思っていた。
美波「いいなあ、私もいつか彼氏とデートしたいな!顔が綺麗になったら、海でデートとかもいいかも!」
N_美波:そんなことを思って、毎日ワクワクしていた。
N_美波:トリーチャーコリンズ症候群は、顔の骨が形成不全で生まれるので、喋りづらかったり見た目の問題があるだけでなく、難聴を患う人も多い。私もそうだったのだ。
美波「進学かあ、どうしようかな。普通の高校に行っても授業についていけるかな?」
N_美波:私は普通の高校に行っても、補聴器があったとしても授業についていけないかもれないと思って、特別支援学校に行くことにした。
美波「みんなとさよならするのは悲しいけれど、仕方ない。自分の道を進もう」
N_美波:小学校の時はクラスのいじめっ子にいじめられていたのだが、中学に入って明るい性格になった。
美波「高校は手話も覚えて、あとは彼氏作るために手術もがんばろ!」
N_美波:小さい頃に受けた手術の数は、10回以上だった。だが、骨伝導で耳が少しでも聞こえるように器具を取り付けるための手術も受けることにした。
美波「すごい!前より全然聞こえやすい!頑張って手話も覚えよう」
N_美波:そうして私は新しい生活をスタートさせた。
新しい学校では、最初はあまりなじめなかったが、クラスの担任の田中先生はとてもいい先生だった。
田中「今日から担任になる田中だ、みんなよろしくな!」
N_美波:とても明るくて、元気いっぱいの先生で見ている方も元気になれる。
N_美波:それでも、やっぱり同年代の女の子と比べて自分はまともじゃないんだと思って落ち込むことばかりだった。
美波「いいなあ。普通の高校もよかったけど・・・私には無理だったのかな」
N_美波:私は悲観的になっては、周りの女の子と比べて落ち込んでいた。
N_美波:そんな時、いつも励ましてくれたのは田中先生だった。
田中「美波は優しくて真面目なところがいいと思うぞ」
美波「でも、それって誰にでも当てはまりませんか?」
田中「いや、そうじゃない。本来生まれてもった性質でもあるし、真面目さは努力の結晶だよ」
美波「でも、私は内面より外見が気になって・・・こんな見た目だし」
田中「何言ってるんだ。そりゃ病気で人と違うところもあるかもしれない。でも、こんなこというのもなんだけど、髪の毛はサラサラでスタイルはいいじゃないか。確か167センチだっけ?」
美波「はい。」
N_美波:そう言ってもらえて、私はなんだか安心した。とても穏やかな気持ちになったのだ。
N_美波:それから、私は大学に進学しようと思って福祉の勉強をした。その時も先生が応援してくれた。
田中「大学で障害について学びたいのか、ぜひ頑張って欲しいなあ」
美波「ありがとうございます!頑張ります!」
N_美波:そうして、私は大学に合格して、晴れて大学生になったのだ。
N_美波:大学生になった私は、福祉の学科で障害について学ぶことになった。そこで資格も取れば、自分の障害が就職の邪魔をしないと思ったからだ。
美波:大学の授業って、思ってたより難しいんだな。専門的だし。
N_美波:専門分野だけでなく、一般教養や語学も履修しなければならないので、とても忙しい。
美波「それに、資格の勉強もしなきゃいけないから、ある意味高校よりもハードかも」
N_美波:それでも、大学生活はとても充実していた。たくさんの友達ができたし、和気藹々とやっていけたのだ。
美波「今日は大学の授業も早めに終わるし、都心で買い物でもしようかな」
N_美波:私はショッピングをするために都心に出て、カツカツとハイヒールで歩いていた。
進藤「ねえそこの君!ちょっと待って!」
N_美波:急に、ある男の人に声をかけられたのだ。
美波「何でしょうか?」
進藤「あ、僕は進藤って言ってこういうものです」
その進藤という男の人は、名刺を渡してきた。
美波「モデル事務所・・・?」
私にはさっぱりわけがわからない。
進藤「君身長高いよね?いくつあるの?」
彼はそう尋ねてきた。
美波「167センチです。今はハイヒールで172センチくらいかもですけど」
すると彼はこう言ってきたのだ。
進藤「すごいね!ねえ、君うちでモデルやらないかい?」
美波「でも私、顔に障害があって。これじゃ無理ですよ」
N_美波:そう断ろうとしたが、その後なんども誘われたのだった。観念した私は、一度撮影に赴くことになった。
N_美波:そこには、障害を持った様々な人がモデルとして活躍していた。義足の人、義手の人、義眼の人・・・みんな私と同じだった。
美波「あの、こんなセクシーな衣装着るんですか?」
進藤「水着姿が似合うのは君くらいだよ!スタイル抜群!お願いするよ」
N_美波:そうして私は2時間かけて、写真を何枚も撮られた。
美波「ああ〜つかれた。こんな感じで大丈夫だったのかな。」
- 写真をみて驚き感動する美波
N_美波:だが、出来上がった写真を見せてもらうと、何だかとても輝いて見えた。
- モデルの現場のシーン
N_美波:それから私は、学生をやりながら「障害のあるモデル」として本格的に活動している。
- 手紙を見ながら涙ぐむ美波
最近、恩師の田中先生から、私の作品が周りにも好評だと激励のお手紙をもらった。
美波「こんな私でも喜んでもらえるんだ。。嬉しい。」
- ふっきれた様子
N_美波:そうして私は、大学を卒業したあとは、福祉関係の仕事をやりながら、合間を見つけては撮影に赴いている。
美波「私はもっと自分を好きになってもいいんだ。」
- 決意する美波
美波「ずっとこの顔で悩んでたけど、恥ずかしい事なんかじゃない。これからは堂々と前を向いて生きていこう。私は私なんだ!」
この作品は、トリーチャーコリンズ症候群に生まれるとどうなるのか? について執筆いたしました。
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