幸せは崩れる
『ある国は戦争を始め、周囲の国を巻き込みました。』
『国民を巻き込み、強制的に戦争へと強制連行しました。』
『女子どもは最後に散るよう、男は潔く散るように教育されました。』
『そんな国で幸せに暮らしていた、少女の話』
私には家族といえるものが8人いた。
おとぉは戦争で英雄になる。
おかぁは悲しそうにおとぉの話をしていた。
そんなに激しくないときに姉二人はお嫁にいった。
兄3人が英雄になるため、兵隊さんに連れていかれた。おかぁはずっと泣きはらした、私も悲しくて家が一気に広くなってさみしくてずっと泣いた。
おかぁと2人で生きていこう、ってなったときお嫁に行った1人の姉が空襲で死んだと旦那さんのおかぁから聞かされた。優しい姉はバラバラになったらしい。
おかぁはまた泣き続けた。そんな時、もう一人の姉も死んだらしい。しっかり埋葬されず道に放置されていたと姉の様子を見に行った姉の友人から聞いた。
もう、涙がでない。
おかぁのお腹には、赤ちゃんがいる。末っ子からお姉ちゃんになる私。鉄を探して売ったり時には身体を売っておかぁにばれないように稼いだ。
赤ちゃんは弟だった。弟が生まれてすぐの日、この街に空襲がきた。その空襲でおかぁは死んだ。
私、齢18...満で17。「子どもが欲しい」いうてた子どものいない夫婦に、弟を渡した。
私には家族といえるものが8人いた。
3人は死に、4人は行方知らず。1人は養子に。
私は1人で生きていく。