おまけ③「少女、アイドルやるってよ」
-少女の部屋-
少年「このポスターの○子ってさ、本当に可愛いよな」
少女「ああ、2000年に一度の美少女と言っても過言じゃない」
少年(少女ならいい勝負だと思うが…あっ)
少年「おまえさ、アイドルになってみない?」
少女「は? 第一簡単になれるもんじゃないだろ」
少年「いや、おまえのビジュアルを活かせば絶対大丈夫だ!」
少女「オレレベルならいくらでもいるだろ」
少年(自分じゃあまりわからないのか?)
少女「歌やダンスもあるし。それ以前に恥ずかしすぎる」
少年「やれば絶対成功間違いないのに」
少女「仮にアイドルになったとして、男どものスケべな視線を浴びるわけだろ」ゾクリ「そんなん耐えられんよ」
少年「スケべなって…」
少女「この○子の、貸してもらった水着写真集だって男どものいやらしい妄想を掻き立ててるわけだろ」
少年「おまえも掻き立ててるうちの一人だろ」
少女「まあそうだが…」
少年「でもさ、アイドルになったらこの○子にも生で会えるわけじゃん」
少女「握手券手に入れれば会えるし、ちょっとだけなら話せるしなあ」
少年「でも楽屋も一緒だろうから、一緒に着替えたり…」
少女「…」ピクリ
少年「打ち上げで温泉に…」
少女「“アイドル王”に!!! オレはなるっ!!!!」ドン!!
少年「それだとドルオタのチャンピオン目指すみたいになってんぞ」
~
アリスP「おめでとう! 今日から君は○ラチナ○ーンのメンバーです!」ワーパチパチ
少女「えっ 話はやっ!」
少女(しかしこれでオレも今日からアイドルか…まさか○子ちゃんのアイドルグループに入れるとは思わなかったが)
九条「わたしがリーダーの九条です。少女ちゃん、よろしくね」
少女「よろしくお願いします!」
少女(あ、○子ちゃんだ!)
少女「○子さん、よろしくお願いします! わたし、○子さんに憧れてアイドル目指したんです!」
逢坂○子「エ...ア、ドウモ...」
逢坂○子(すごい可愛い子が入って来た! まあオレは星野さん一筋だけど)
少女(声ちっさ! これこそ本物の○子ちゃんだ!)
まなか「よーちゃん相変わらず知らない人だと声ちっちゃいねー」
えみ「ちょっと時期はズレたあるけど、うちらと同期ゆうことになるん?」
りん(また美少女…この子は歌とかダンス大丈夫でしょうね…)
星野「やあ。君が少女君か。メンバーの星野です。一斉オーディション以外からの参加とは珍しいね」
少女「あ、星野さん! よろしくお願いします!」
少女(オレ、本当にアイドルになったんだなぁ…)
~
少女「あの、○子さん」
逢坂○子「あ、少女さん。同期だし、わたしの方が年下なんだから○子でいいですよ」
少女「同期といっても皆さんの方が先輩ですし、わたしの方こそ少女でいいですよ」
逢坂○子「じゃあ、それはおいおい…で、何ですか?」
少女「あの、打ち上げとかで温泉に行くことあるんですか?」
逢坂○子「(何そのピンポイントの質問)前に撮影の打ち上げで温泉に行きましたよ」
少女「マジで!…いや、本当ですか」ニタリ
逢坂○子「うん、貸切で…」
少女「今から楽しみです!」ダラダラ
逢坂○子「まあ、今後もあるかはわからないけど…(そんなに温泉好きなのかな。オレはもうコリゴリだけど)」
~
-ライブ後-
少女「ゼェ…ハァ…」
少女(ライブ中はなんとかなったけど、これはキツイ! とくに運痴のオレにとっては…センターの○子ちゃんは輝いてたな。見習わないと…)
逢坂○子「ゼェ…ハァ…」
少女(○子ちゃんもバテてる!)
星野「逢坂君、よくやった。輝いていたよ! 少女君も頑張ったな!」
少女(すげえ、星野さん息ひとつ切れてねえ…)
少女(レッスンもキツかったけど、本番はハンパなくキツイな)
少女(キモオタどものキモい視線を浴び続けるのってどうかと思ったけど…)
少女(これ、本当に元気貰えるな…みんなこの声援を受けて頑張ってるんだな)
九条(少女ちゃんは何かつかんだみたいね)フフフ
~
-楽屋・着替え中-
少女「…」コソコソ ゴソゴソ
少女「…」チラッ
逢坂○子「…」コソコソ ゴソゴソ
まなか「よーちゃんたち、いっつも端っこでコソコソ着替えてるねー。とくによーちゃんは後ろ向きっぱなしだし」
えみ「でも少女はチラチラこっち見とるし、こっち気になるん? そんな端っこやのうて、もっとこっち使こうてええのに」
逢坂○子「い、いやわたしはこっちが落ち着くから!」
逢坂○子(キモオタのオレがアイドルの着替えを見るとか…ダメ、絶対!)
少女「わたしも大丈夫です!」
少女(く、視線バレてた…でも恥ずかしくて真ん中には行けないぜ…)
逢坂○子(なんか少女さんてオレと同じニオイがするんだよな)
~
少女「明日水着撮影…」ドヨーン
逢坂○子「やっぱり水着は嫌ですか?」
少女「それはそうでしょう。あんなの下着じゃない」
逢坂○子「(っ!)まあ仕事だから…でもさっきからメンバーの水着写真集を食い入るように見てるけど…」
少女「えっ」ジュルリ「あは、あはは」
逢坂○子(オレの写真もそんなに見つめられるとめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど…)
少女「女の子の水着姿っていいわよね。自分がなるのは嫌だけど」
逢坂○子「もしかして…ある日突然女の子になった…元男だったなんてことないですよね?」
少女「ええ!」ギクッ「そっそそ そんなわけないでしょ! ワタシ ウマレタトキカラ女ノ子ヨ!」
少女(まさか…オレの中身のこと気づかれた?! いや、そうだったら『元男』なんて言わないよな? 一体どこまで…)アセ
逢坂○子(この焦りかた! 普通は『意味がわからない』とかなるはずなのに…やっぱり!)
逢坂○子「いや、実はオレもある日突然この姿になったんだけど…元はキモオタです」
少女「ええええええ! ウソでしょ!」
逢坂○子「でも少女さんもそうでしょ?」
少女「いや、オレは生まれつきこの姿なんだけど…」
逢坂○子(オレっ娘の若葉さんとも微妙に違うこの言葉遣い…確定だ!)
少女(ええい、もういいや!)
少女「でも心は生まれたときから男だぜ」
逢坂○子「ええええええ! ウソでしょ!」
~
えみ「二人とも、最近仲ええな」
逢坂○子「うん。ねえ少女さん!」ニコ
少女「う、うん!」...ニコ
逢坂○子(まさか○ラチナ○ーンに2人も男が入り込んでいたとは…からだは女かもしれないけど…)
少女(くう…あれから○子のマークが厳しくてメンバーの着替えをチラ見することすらできない!)
少女(せっかく水着撮影のあと温泉行ったのに、なぜかオレだけあいつに目隠しされるし…メンバーに不思議がられてたじゃねえか)
逢坂○子(ラッキースケベとか絶対阻止しなくては!)ダメゼッタイ
少女(オレ、何のためにアイドルになったんだろう…)ナミダ
こうして少女のストイックなアイドル活動は続くのだった
TSモノでは「キモオタ、アイドルやるってよ」が好きなので書きました。
あとTSモノではけんぷファーも好き。